インタビュー「うつ病の予防は『健康なときに耐性をつける』」第3回:西大輔医師(国立精神神経医療研究センター精神保健研究所精神保健計画研究部システム開発研究室長)

<自分の性格>を把握していますか? 思考・性格パターンを知って「うつ病」を防ぐ

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自分の性格を把握していますか? 思考・性格パターンを知って「うつ病」を防ぐの画像1

上司から怒られたときに自分を客観的に眺めてみると気持ちにも変化が(depositphotos.com)

 「うつ病の予防」をテーマにしたこのインタビューでは、睡眠と運動、栄養といった側面をからアプローチしてきた。

 それらを踏まえた上で、国立精神・神経医療研究センターの西大輔医師は、「いちばん大切なのは<自分の思考パターンを知る>こと」と話す。最終回は、「思考」からうつ病の予防法にアプローチする。

自分のパターンに気付けているかどうか?

 「うつ病の原因については、脳内の神経伝達物質をはじめ諸説ありますが、私は<自分のパターンに気づくこと>が予防のうえで最大のポイントだと考えています。調子を崩した時、自分のパターンに気づいて自分を客観視できると、受け止め方はずいぶん変わります」

 「たとえば、電車が遅れるたびに、すごくイライラして腹が立つ人がいたとします。その人は、電車が遅れたのが悪い、自分が腹を立てるのは当たり前のことだ、と思っています。でも、もし『当たり前』であれば、電車を待っている他の人たちも同じように腹を立てているはずです」

 「逆に言えば、電車が遅れた時だけ腹を立てて、それ以外の状況で腹を立てない人、というのはまずいませんよね。つまり『電車の遅れ』という出来事がきっかけで、『腹を立てやすい』というその人の傾向が表に出てきているわけです」

 「なので、『電車のせい』ではなくて『自分には腹を立てやすいパターンがある』ということに気づくことが大切です。ここで、『腹を立てやすい自分はダメな人間だ』などと思う必要はありません。おそらく、昔のある時期に、腹を立てたり怒りを見せたりすることが問題解決の役に立ったことがあるから、そのパターンが残っているのでしょう」

 「また、強い感情を感じたときの身体の反応にも、人によってパターンがあります。たとえば、イライラしたときに呼吸が浅くなり首や肩に力が入ってしまう、という人もいます。そういう場合、呼吸の浅さや首・肩のこりから、自分のイライラに気づくこともできます。そして気づけば、それだけで自然に気持ちにも変化が生まれます」

 「うつ病になってから、自分の内面を見つめるのは簡単ではありません。うつ病になる前に、自分のパターンを客観視できるようになっておくと、うつ病になりにくくなると考えています」

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