「夢」を見ない高齢者ほど「認知症」に? レム睡眠時間が1%低下するごとに認知症リスクが9%高まる

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認知症は「有酸素運動」「おしゃべり」「知的活動」で防ごう

 

 いい睡眠は健康のリセットボタン!そう実感した番組がある。「NHKガッテン!これが世界最先端!“認知症”予防SP 2017年5月17日)だ。

 認知症の予防は、「脳のゴミ」のアミロイドβの排出である事実は周知されている。よく眠る(6~8時間の睡眠や30分以内の昼寝)れば、アミロイドβを脳から洗い流す能力が高まり、脳の神経細胞を活性化するからだが、そのために有効な戦略がある。

 第1は「有酸素運動」――。有酸素運動をすれば、神経細胞を活性化するホルモンが分泌され、アミロイドβを分解する酵素が増加するだけでなく、運動後によく眠れるので、アミロイドβの排出が促される。

 第2は「コミュニケーション」――。様々な他人と積極的に会話すればするほど脳が活性化するため、アミロイドβの排出にも大いに役立つ。

 第3に「知的活動」――。囲碁、将棋、楽器演奏、裁縫、ホビーなど頭を使いながら指先を動かす知的活動を続けると、神経細胞が活性化し、アミロイドβの活動も抑制されやすい。

認知症はを「マインド食」「減塩」で防ごう

 さらに予防に有効な戦略がある。食事だ。

 2015年、ラッシュ大学医療センター(アメリカ・シカゴ)のMartha Clare Morris氏らの研究チームは、アルツハイマー病を予防する食事法であるマインド食(MIND/Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)を発表した(「MIND Diet Associated with Reduced Incidence of Alzheimer’s Disease」)。

 マインド食は、「積極的に取るといい食材を10項目」、「控えた方がいい食材を5項目」に分け、食べる頻度を提案する食事メソッドだ。約1000人の高齢者を平均5年間追跡した結果、全15項目のうち9項目以上を達成した人は、5項目以下だった人よりもアルツハイマー病の発症率が53%も低かった。

 積極的に取るとよい食材(かっこ内は頻度)は、緑黄色野菜(週6日以上)、その他の野菜(1日1回以上)、ナッツ類(週5回以上)、ベリー類(週2回以上)、豆類(週3回以上)、全粒穀物(1日に3回以上)、魚(なるべく多く) 、鶏肉(週2回以上)、オリーブオイル(優先して使う)、ワイン(1日グラス1杯まで)。

 控えたほうがよい食材(かっこ内は頻度)は、赤身の肉(週4回以下)、バター(なるべく少なく)、チーズ(週1回以下)、お菓子(週5回以下)、ファストフード(週1回以下)。

 ただし、これはアメリカ人の目安。日本人は、「塩分摂取量」が多めなので、 減塩が何よりも大切だ。

 高齢者のおよそ4人に1人が認知症になる。若い世代はもちろん、40〜50代の働き盛りもその予備軍になるリスクが極めて高い。よく眠る、よく食べる、よく働く。健康の黄金律は永遠に不変だ。
(文=編集部)

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