増加する不妊治療(depositphotos.com)
「不妊治療net」が、 20代~50代の女性16,402人を対象に、妊活と不妊治療についての意識調査を行った。
調査の結果、 妊活を行っている人は、 20代で11%、 30代で13%、 40代で5%、 50代以上で2%。30~40代の妊活中の女性の約20%が不妊治療に取り組み、さらに不妊治療経験者のうちの約75%が1人目の妊娠のために不妊治療を開始している事実が判明した。
妊活の具体的な取り組み状況は、30代の80%が「体の冷えを防ぐ」「食生活の改善」などを行い、 日常生活の範囲内の妊活は20代~30代が40代より積極的に行っていた。
一方、 日常生活の範囲外の病院への通院を伴う不妊治療は、30~40代の約20%が取り組んでいた。
また、 不妊治療経験者の約75%は、1人目の子供の妊娠のために不妊治療を開始したが、2人目の子供の妊娠のために不妊治療を開始した人が約20%いた。
およそ21人に1人が体外受精で出産!
さて、日本の不妊治療は、どのような状況だろう?
平成28年に出生した子どもは、過去最低の約98万人。昭和22年の統計開始以来、初めて100万人を割った(厚生労働省人口動態統計の年間推計)。
合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの推定数)は、1.45と微増だが、晩婚化などによって出生率がどんどん下がっていることから、出産する女性が減っていることが分かる。
また、母親の出産時の年齢の推移を見ると、平成12年から23年の10年間で、35歳以上の出産が11.9%から24.7%に、40歳以上の出産が1.3%から3.6%にそれぞれ急増している。
国際生殖補助医療監視委員会のレポートによると、日本の顕微授精、体外受精、胚移植を合わせた不妊治療数は、世界一だが、一回の採卵による出産率は、6.2%と世界最低だ(世界の平均出生率は20.1%)。
日本の不妊治療は、高い効果を上げているわけではないことが分かる。
日本で受けられる不妊治療のうち、健康保険が利く治療は、排卵誘発剤などの薬物療法、卵管疎通障害に対する卵管通気法、卵管形成術、精管機能障害に対する精管形成術に限られる。
したがって、体外受精は健康保険が利かない。
平成22年の顕微授精を含めた体外受精の実施数は、のべ242.161人。体外受精による出生児数は、28.945人だが、平成26年に47.322人に増加している。
平成26年の出生数は、約100万3500人なので、およそ21人に1人が体外受精で生まれていることになる。
このように、体外受精による出産が急増していることから、日本で保険適応が叫ばれている。
保険適用は、経済的な負担を取り除く利点はあるが、体外受精に安易に依存する弊害が生まれる点も見なければならない。
たとえば、ホルモン剤などの投薬による生体の制御、麻酔による卵子の摘出などの人為的・人工的な行為は、人間に本来備わっている自然治癒力の回復やホメオスタシス(生体恒常性)の維持に反する行為であるのは明白だからだ。
まず、自然治癒力やホメオスタシスを正常化し、本来持っている生命力を確信して妊娠をめざす。それこそが、不妊治療の王道であってほしい。
(文=編集部)
※参考:不妊治療net(https://funin-info.net> https://funin-info.net)