香水やシャンプーの香りに約8割が不快~深刻なのは洗濯用洗浄剤の<スメハラ>

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化学物質過敏症が急増中

●質問④ (③で)選択したものを使用する目的はなんですか? 当てはまる箇所をすべてお選びください(複数回答) 
●回答④ 衣類や防臭・消臭効果をもたせるため:270人/嫌なニオイを抑えるため:270人/自分で香りを楽しみたいから:175人/他人にいい香りと思ってほしいから:121人/その他:36人

 本サイトでは過去に、逃げ場のない通勤列車内や職場同僚によるスメハラ(スメルハラスメント)問題を、そして公共空間における香り演出の是非について触れてきた。

 だが、国民生活センターへ寄せられた最近の相談内容例をみると、とりわけ「洗濯用洗浄剤の匂い」に関する被害ぶりは深刻さを増している。

■昨日夕方に柔軟剤を使用して洗濯物を部屋干し後、夜から朝まで吐き気を感じた。
■南側の隣家から柔軟剤の臭いが漂いイライラ感、頭痛、吐き気がする。
■職場の同僚が柔軟剤をつけていることで気分が悪くなる。
■新発売の柔軟剤を試したら、目がひどくチカチカした。かなり少なめに使ったのにひどかった。

 上から20代・30代・40代・50代の相談例を列挙してみたが、これらは性別も年齢も職業も関係なく、自他の要因も問わず、現代人を見舞う「香害」だとわかる。

 また、さまざまな種類の微量化学物質に反応して苦しむ「化学物質過敏症」というコトバもある。やはり症状はめまい・吐き気・頭痛などと多岐にわたり、個人差を有する。

 「しかし、『香害』や『化学物質過敏症』というコトバの認知はまだまだ低く、事態の深刻性が世間に浸透していないことが問題です」

 そう語るのは、こうした問い合わせが数多寄せられているNPO法人・化学物質過敏症支援センターの事務局長、広田しのぶさんだ。

 「香料などに使用されている化学物質は、長期間にわたって体内に蓄積されてしまう。いま症状が出ていない方でも今後、突然発症する危険性があります」

 トレンドな香りに含まれるこれらの見えない大敵は、花粉症同様、マスク使用などでシャットアウトするのも難儀らしい。ゆえに「癒される」という気分先行よりも、香り付き商品の使用自体の「見直しが必要なのでは」(広田さん)なかろうか。
(文=編集部)

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