衝撃の報告「グルコサミンは効かない」! サプリメントの過剰摂取で副作用の危険も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
衝撃の報告「グルコサミンは効かない」! サプリメントの過剰摂取で副作用の危険もの画像1

グルコサミンを飲んでも「膝」の痛みには効かない(depositphotos.com)

 テレビCMやドラックストアの店頭でよく見かけるサプリメント「グルコサミン」。実際に飲んでいる人も多い人気商品だ。

 「グルコサミン」は、軟骨成分である「プロテオグリカン」や関節液の「ヒアルロン酸」の原料となる。さらに、グルコサミンは軟骨成分の合成を助ける作用もあるため<グルコサミン=関節にいい>というわけだ。

 また、関節部分の水分保持の働きをもつ「コンドロイチン」は、グルコサミンが元となる。

 ちなみに、関節をスムーズに動かすのに必要なヒアルロン酸は、加齢とともに減少する。関節の痛みや不調に対してヒアルロン酸を注射するのは、潤滑成分を補うことで解決しようという考えからである。

 そういうわけで、<グルコサミン=関節にいい>というイメージは一般的に定着し、サプリメントとしても高く認知されているのだ。

 ところが最近、グルコサミン信奉者にとって、残念な報告がもたらされた。

 それは『BMJ Journals』(7月28日オンライン版)で発表された。原題は『Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trail bank』である。

 つまり、邦訳すると<口から摂取するグルコサミンは、膝や股関節の痛みには効きません>……。

グルコサミンは効かない!?

 グルコサミンに関する研究結果は、これまでにも複数が報告されている。今回の最新研究では、それらの「グルコサミンのサプリメントを摂取した(3カ月間~2年間)グループと摂取しないグループを比べた」エビデンスレベルのいちばん高い「ランダム化比較試験」を集めて比較した。
 
 その結果、性別にかかわらず、関節に炎症が生じているグループ、過体重なグループ、痛みが強いグループなどすべての群において、短期間(3カ月)でも長期間(2年間)でも「グルコサミンは飲んで飲まなくて結果に差がない」というのだ。

 これまでグルコサミンの効果を信じて愛用してきた人たちとっては、衝撃的である。

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

三木貴弘の記事一覧

三木貴弘
がんになってもあきらめない妊活・卵巣凍結 費用は卵巣摘出に約60万円、保管は年間10万円
インタビュー「がんでも妊娠をあきらめない・卵巣凍結」後編・京野廣一医師

がん患者への抗がん剤による化学療法は妊孕性(妊娠のしやすさ)を低下させる。がんにより妊娠が難しくなる患者を支援するため、2016年4月に「医療法人社団レディースクリニック京野」が、治療前に卵巣を凍結して保存しておく「HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)」を設立すると発表した――。医療法人社団レディースクリニック京野理事長の京野廣一医師に卵巣凍結の仕組みについて訊いた。
前編『「がん」になっても妊娠・出産をあきらめたくない女性のための「卵巣凍結」とは?』

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆

シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センタ…

中村祐輔