「腸内細菌」が「性格」も決める! 脳内物質に影響を与えて「ネガティブな感情」に

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ネガティブな性格は腸内細菌の影響か?(depositphotos.com)

 人間の腸内には、数にして600兆~1000兆個、総重量1kg以上もの腸内細菌が生息している。腸内細菌の顔ぶれは、私たちの健康にさまざまな影響を及ぼすが、最近、おどろくべき研究結果が報告された。

 腸内細菌が、私たち人間の「思考や行動の傾向」、つまり「性格」にまで影響を及ぼしているというのだ。

特定の菌がいるとネガティブな感情になりやすい!

 米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが、興味深い研究成果を報告した(『Psychosomatic Medicine』2017年6月28日掲載)。

 女性40名の排泄物から腸内細菌を採取し、それぞれの構成を調査。それと同時に、被験者にさまざまな人物や状況などの画像を見せながら、MRIで脳内をスキャンし、そのときの感情的反応を確認した。

 その結果、特定の細菌グループが「感情の反応」に影響を及ぼしているらしいことが判明したのだ。

 まず「プレボテラ属」の細菌が多く分布していた被験者7名は、ネガティブな画像を見せられたとき、「不安」や「苦悩」などのネガティブ感情を強く感じたという。

 これらの被験者の脳は「感情」「注意」「感覚」に関係する脳領域のつながりが強く、反対に「感情の制御」や「短期記憶の長期記憶への定着」に関連する海馬が小さく、その活動も少ない傾向にあった。

 一方、「バクテロイデス属」の細菌が多く分布していたグループの被験者33名は、そうした画像を見せられても、ネガティブ感情を味わうことが少なかった。そして、小脳、前頭葉、および海馬の灰白質(神経細胞の細胞体が存在している部位)が、先のグループより大きく、活動も活発だったという。

腸内細菌が「ストレス耐性」や「うつ状態」に関与か?

 以前から動物実験では、腸内細菌の有無や構成が動物の行動や性格に影響することが確認されていた――。

 たとえば、スウェーデンのカロリンスカ研究所のチームは、人為的に腸内を無菌にした「無菌マウス」は通常のマウスより警戒心が薄く、危険で大胆な行動を平気でとる傾向があると報告している。

 また、アイルランドのコーク・カレッジ大学や米国のバージニア大学の研究によれば、「乳酸菌」を摂取させて腸内環境をコントロールしたマウスは「ストレス耐性が上がる」「うつ状態が改善する」といった報告がされている。

 こうした報告が相次ぎ、腸内細菌が「宿主」の思考や行動、感情に影響する可能性が考えられてきたのだが、健康な人間で確認されたのは今回のUCLAの実験が初めてだ。

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