「腸内細菌」が「性格」も決める! 脳内物質に影響を与えて「ネガティブな感情」に

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腸内細菌は脳内物質の産生に影響

 それにしても、腸内細菌が私たちの思考や行動、感情に影響を及ぼすというのは、なんとも不思議に思えるだろう。理由はどうやら「脳内での神経伝達物質の産生に腸内細菌が大きく関わるため」のようだ。

 理化学研究所の辨野義己博士らは、次のような実験を行っている。

 同じ無菌マウスの親から生まれたマウスを、そのまま無菌状態を保った「無菌マウス」グループと、生後に通常のマウスから採取した腸内細菌を与えた「通常マウス」グループとに分け、まったく同様の条件で7週間飼育。その後、両者の大脳を摘出し、脳内の物質(代謝産物)を調べた。

 その結果、「無菌マウス」グループには、多く検出された物質が23種類、少なく検出された物質が15種類あった。同じ親から生まれ、同一の条件で飼育したにもかかわらず、腸内細菌の有無で脳内物質に明らかな変化が現れたのだ。

 たとえば、「無菌マウス」は「通常マウス」よりも「ドーパミン」が2倍以上も多く検出された。一方で、神経伝達物質を作り出すのに必要な「前駆物質(芳香族アミノ酸)」は、「通常マウス」のほうが多く産生されており、特にドーパミンの前駆物質である「チロシン」は、「通常マウス」のほうがはるかに高濃度だった。

 ドーパミンは快感や集中力などに関わる物質だが、過剰に生産されると「統合失調症」の引き金となる。つまり、腸内細菌の働きによってこれらの前駆物質が作られるとともに、神経伝達物質の産生バランスが保たれているのではないかと考えられる。

 神経伝達物質の過不足は、「うつ病」や「統合失調症」などの精神疾患や「パーキンソン病」などの脳神経疾患の発症につながると考えられている。腸内環境を健康に保つことは、脳や心の健康にも大きな意味がありそうだ。もしかすると腸の健康によって、あなたの性格も変わるのかもしれない。
(文=編集部)

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