腸内細菌を徹底解剖 第14回

腸が「第2の脳」と呼ばれる理由は? 目には見えない「脳腸相関」のメカニズム

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過敏性腸症候群の症状が続くと様々な不定愁訴が現れるshutterstock.com

 腹が立つ、腹黒い、太っ腹、腹の探り合い、腹に一物あり......。

 腹(腸)と心(脳)の機微を表す言葉が実に多い。現代では、脳と腸の類似性や共通性はかなり解明されているが、先人たちは脳と腸がつながっていることを経験的に知っていたのだろうか。

脳と腸はつながっている!

 腸は「第2の脳」と呼ばれる。脳と腸は、自律神経、ホルモンやサイトカインなどの情報伝達物質を通して、互いに密接に影響を及ぼし合っている。脳がストレスを感じると、自律神経から腸にストレスの刺激が伝わるので、お腹が痛くなったり、便意をもよおしたりする。腸が病原菌に感染すると、脳は不安を感じる。腸からホルモンが放出されると、脳は食欲を感じる。まさに、腸は「第2の脳」だ。

 例を挙げよう。旅行や出張などで見慣れない土地に行ったり、大切な試験の前や重要な会議の前になると、緊張感などで下痢をしたり、便秘になることはよくある。過敏性腸症候群(IBS)の兆候だ。過敏性腸症候群の症状が続くと、うつ症状やさまざまな不定愁訴が現れる。脳がストレスを受け、自律神経のバランスが崩れれば、血行不良、肩こり、頭痛などを伴うことがある。とくに生理不順や月経困難症の女性は、胃腸の働きが低下するので、便秘や頭痛に悩まされる。

 このように胃腸がストレスを受け続けると、脳が不快な経験として知覚するため、脳の反応が消化機能を悪化させる悪循環に陥る。

 これらの症状が現れるのは、脳が強いストレスを感じて、自律神経の働きが乱れるからに他ならない。活動したり、緊張したり、ストレスを感じている時に働く交感神経の指令が胃腸に伝わり、胃腸の働きが低下する。しかし、脳がリラックすれば、体を回復したり、休息したり、リラックスしている時に働く副交感神経へスイッチが切り替わり、胃腸のコンディションはよくなる。腸と脳の二人三脚は、とても理にかなった生体システムなのだ。

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