妊娠を望むなら静かな寝室? 夜の騒音で男性の「不妊確率」が14%も上昇!

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妊娠を望む男性はベッドでの映像鑑賞は避けるべき?(depositphotos.com)

 避妊せずに1年以上の性交渉を重ねても、妊娠に至らないカップルの比率はどれくらいだと思われるだろうか?

 米国立衛生研究所(NIH)の推計では米国人夫婦の「約15%」がその層、つまり「不妊カップル」に該当するようだ。

 望んでも子宝に恵まれない。その原因は、男性側か女性側の、いずれかにある場合(あるいは双方に問題がある場合もあるが)、男性側の要因としては精子の濃度や形状、その運動力にあるとされている。では、男子たるもの。濃くて、形も良く、活発的で強い健康的な精子を育むにはどんな日常的な心掛けをすればいいのか?

 それには、寝巻に着替えてからの映像鑑賞や深夜の音楽三昧、ついついTVをつけっ放しで寝入ってしまうような生活習慣を改めてみるのも一考かもしれない。

 というのも、どうやら「静かな寝室」こそが健康的な精子を育む環境としては望ましい――。そんな可能性を示唆する新知見が、環境汚染の専門誌『Environmental Pollution』(7月号)に掲載されたからだ。

「55デシベル以上」で男性は「不妊」が14%上昇

 韓国・ソウル大学校医学部予防医学のKyoung-Bok Min氏らが、同国の成人男性20万人超の暮らし向きを比較検証した結果、騒音レベルの高い環境下に一定期間住んでいた男性の場合、のちに「男性不妊」と診断される確率が「14%上昇」する傾向が認められたのだ。

 具体的には、韓国人男性20万6492人(20〜59歳)の医療保険データベースが用いられ、日中と夜間の騒音曝露レベルと男性不妊の関係性が解析された。それぞれの居住地(当時)は郵便番号から割り出し、全国騒音情報システムによる4年間(2002〜2005年)の騒音レベルと照合された。

 その後の健康情報を検証すると、8年間(2006〜2013年)の追跡期間中で3293人(1.6%)が「男性不妊」と診断されていた。

 さらに研究陣は、年齢・所得・喫煙の有無・体格指数(BMI)などの因子を均等に調整して解析した結果、4年間に渡って「55デシベル以上の夜間騒音」に曝された男性の場合、「不妊症」と診断される可能性が14%アップすることを発見した。

 この55デシベルこそ、WHO(世界保健機構)の騒音ガイドラインで「夜間の暴露で健康被害が高頻度で生じる」と定める数値。この数値は「郊外道路やエアコンの騒音」に相当し、環境省の騒音基準を参照すれば「2車線以上の道路に面する住居地域」では「55デシベル以下」とされている。

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インタビュー「『射精障害』での不妊が増えている」第3回:岡田弘医師(獨協医科大学埼玉医療センター・泌尿器科主任教授)

「非婚化」「晩婚化」と並んで、結婚した夫婦の間でも子どもができなくなっていることが、人口減少の一因であることは論をまたない。獨協医科大学埼玉医療センターの泌尿器科主任教授・岡田弘氏の診察室には、男性が原因で不妊となっている夫婦が数多く訪れる。なかでも近年、急速に増えているのが、挿入はできるけれど、女性の中で射精できない「膣内射精障害」だという。

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