いまだにある「自閉症は親のしつけの問題」という誤解~理解されにくい「発達障害」

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自由にならない自身のカラダに苛立つ苦しさ

 重度の自閉症を抱える作家・東田直樹さんが中学生のときに書いたエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』(2007年・エスコアール出版部、2016年・角川文庫)は、自閉症の人の心のなかを理解するためのバイブルと言えるだろう(参考記事「自閉症家族のバイブル! 『自閉症の僕が跳びはねる理由』でその世界を垣間みる」)。

 その内容は、跳びはねる理由をはじめ、バラバラの記憶が突然フラッシュバックされパニックに陥ること、どこまでが自分の手や足なのかわからない感覚、人と会話ができないつらさなど、質問に答える形で書かれている。

 この本はイギリス人小説家デイヴィット・ミッチェルさんが翻訳し、世界の20カ国以上の国で出版されベストセラーになっている(『THE REASON I JUMP』)。自身も自閉症の息子をもつミッチェルさんは、この本との出会いにより、息子を理解することができたという。

 実の親や家族にさえ、なかなかわかってもらえない自閉症の人たち。日々、自由にならない自身の体に苛立つだけでなく他人から疎んじられることも多々あり、孤立していることが少なくない。

 世界自閉症啓発デーは、そんな自閉症の人々を理解するきっかけとなる日。先の東田さんが怖いものは「人の視線」だという。物珍しげに、あるいは困った対象として視線を向けられることが多いのだろう。彼らの行動や態度にはそれぞれ意味があることを知り、やさしいまなざしで温かく見守っていきたいものだ。

 4月2日は「ライト・イット・アップ・ブルー」だけでなく、自治体やNPO法人などが講演会や自閉症の人のアート展、映画・DVD上映、自閉症啓発アピール・ウォーク、コンサート、ワークショップなどのイベントを開催する予定だ。

 どこかにブルーのものが入ったアイテムを身に着け、参加してみてはいかがだろうか?
(文=編集部)

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