運動は<脳にも効く>!?(depositphotos.com)
ミュージシャンの桜井和寿さん、KEIKOさん、星野源さん、川西幸一、米良美一さん、タレントの磯野貴理子さん、麻木久仁子さん、女優・歌手の河合美智子さん――。
いずれも30~40代で脳卒中を経験した有名人だ。ある日突然襲ってくる脳卒中は、日本人の死因第4位に挙がる身近な病気だ。
脳には無数の血管が走り、酸素や栄養を供給している。この血管が詰まったり、破れて出血したりして起こる病気を「脳卒中」という。詰まるタイプが「脳梗塞」、出血するタイプが「脳出血」だ。いずれも、麻痺や言語障害、意識障害などの症状が現れる。
発症すると要介護になりやすく、高齢者に多いと思われているが、実は30~40代でも発症する。
また、米国心臓協会(AHA)の研究結果によれば、出血性脳卒中を経験した患者は、抑うつや認知症の発症リスクが有意に高まるという。
たとえば、2012年にくも膜下出血を発症した星野源さんは、著書の中で「今すぐにでもベッドの頭上にある窓から飛び降りたい」「早く死んでしまいたい」――という思いに駆られた闘病生活を綴っている。
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脳卒中の経験者には運動プログラムが有益
治療後もその後遺症が怖い脳卒中。先日、脳卒中経験者、その家族に興味ぶかい知見がもたらされた。米ヒューストンで開催された「国際脳卒中会議」で2月22日、<体系的な運動プログラムが身体面だけでなく認知面にも有益である>ことが報告された。
「認知」とは、思考、学習、理解、記憶などの重要な精神機能のこと。脳卒中になると脳への血流が低下するため、認知力が損なわれることがある。
米国脳卒中協会(ASA)のDaniel Lackland氏は、「この知見は目新しいものではないが、どのような運動が有効であるかをこれまで以上に明確に示すものだ」とコメント。
たとえば、中等度の有酸素運動と筋力、バランスのトレーニングを併用することが、脳卒中患者の知的鋭敏さの向上に最も有効であることが示唆されている。