インタビュー「ビジネスパーソンのための睡眠学」第1回 労働安全衛生総合研究所・産業疫学研究グループ部長:高橋正也氏

ビジネスパーソンのための睡眠学〜「4時間でも、ぐっすり眠れば大丈夫」は都市伝説

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帰宅後の夜更かしが現代人の睡眠を削る?(depositphotos.com)

 仕事もプライベートも、パフォーマンスを高く保つために欠かせないのは、なんといっても健全な睡眠――。ところが、現代人は睡眠をおろそかにする傾向がみられる。ビジネスパーソンにとって、有効な睡眠とはどうあるべきか?

 眠りの専門家、労働安全衛生総合研究所の産業疫学研究グループ部長である高橋正也氏に訊く。

いい睡眠が<よく働き、よく眠る>を実現

――ビジネスパーソンにとって<いい睡眠>は不可欠ですが、その重要性を教えてください。

 職業人として一生懸命働くことは、もちろん大前提。しかし、きちんと睡眠をとることも同じくらい大切です。よく働くこととよく眠ることは、車の両輪・コインの裏表のようなもの。睡眠の質と労働の質は関連します。よく働ければ、よく眠れます。

 ところが、睡眠おろそかに考えて生活していると、働いているときの質も下がります。もちろん、昼間のストレスが強すぎても、心地よく眠りにつくことが難しくなる。仕事と睡眠は、密接に関係しあっています。

――いい睡眠には、「〇〇時間は寝なければならない」という指標はありますか。

 人によって働き方も違えば、年齢、性別も違います。8時間や7時間などがベストと決めることに、あまり意味はないと思います。

 諸外国では一応、「7時間は必要なのではないか」といわれています。しかし、日本のビジネスパーソンの場合、7時間の睡眠は確保できていないのが現状です。厚生労働省の調査でも、平日の睡眠が6時間に満たない人が50%弱にのぼることが判明しています。睡眠時間をもう少しとるようにしてよいでしょう。

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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里中高志
睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

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