睡眠不足は飲酒運転と同じくらい危険! 事故リスクは睡眠4~5時間で4.3倍、4時間未満で11.5倍!

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居眠り運転に要注意!(shutterstock.com)

 深夜2時~4時が、交通関係従事者の間で「魔の時間帯」と呼ばれているのをご存じだろうか? 交通事故や重大な事故が集中的に起きる時間帯だからなんだとか。

 「確かにそうかもしれません。私の会社の場合、深夜2時が帰庫可能時間で、もう少しガンバっても4時までに戻らないといけないんですが、その帰路でぶつけて車体を傷つけてくる運転手が結構いますからね」

 これは先日乘ったタクシーで「魔の時間帯」の話題をふった際の、運転手の答えである。職業柄、事故原因の多くが慢性的な睡眠不足にあるという。

 ヒトの眠気には12時間周期と24時間周期のリズムが存在し、午後2時と午前2時前後は一様に眠気が高まる傾向があることが、睡眠研究の世界では知られている。その話もふってみると、運転手は苦笑まじりで次のように答えた。

 「昼の2時前後、言われてみれば確かに、その時間帯の交差点でオカマ掘られる例は多いかもしれません。夜中の2時頃も、タクシー同士の接触事故が多い……。眠気に襲われてうっかり、という例が少なくないでしょう」

睡眠が1~2時間少ないだけで自動車事故に遭う確率が2倍に

 ここまでの話題を裏付けるような米国発の知見を紹介しよう。

 「夜間の睡眠時間が1~2時間少ないだけでも、ドライバーが翌日、自動車事故に遭う確率が、ほぼ2倍になる」――。

 これは、全米自動車協会(AAA)交通安全財団のBrian Tefft氏らの詳細分析によって示唆されたもの。自動車事故リスクの原因究明に際し、同氏らは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の過去調査を再分析する方法を採用した。

 これは2005年7月~2007年12月の期間中、午前6時~深夜0時までの時間帯に発生した交通事故4571件に関して、関連ドライバー7234人を対象に実施された調査データである。

 解析を担当したのは、特別な訓練を受けた専門調査員らで、①事故の寄与因子、②ドライバーの睡眠習慣、③睡眠スケジュールの変化、④事故前24時間の睡眠時間、などを現場の状況に鑑みて比較したもの。

 結果、一般に推奨される睡眠時間(7時間以上)を取っていたドライバーに対し、睡眠時間が少ない層ほど、事故リスクが高くなる傾向が判明した。

 具体的な内訳は、事故前の24時間内で「4~5時間しか睡眠時間を取らない」場合のリスクが4.3倍、「同4時間未満」になると実に11.5倍の数値が導かれた。

 「この層の睡眠不足状態は、血中アルコール濃度0.12~0.15で運転することと同じである」と、Tefft氏らはレポート上で指摘している。大半の米国の州が、アルコール濃度0.08以上を「法的な飲酒状態」と見なしている事実を知れば、彼らの警告の深刻さが伝わるだろう。

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