強度よりも<運動の習慣化>が大事
メディカルフィットネスのスーパーバイザーの村上勇氏は、「私も糖尿病の顧客に、運動強度よりも<運動の習慣化>が大事であることを指導している」と語る。
「フィットネスの楽しさを知って継続するには、無理をせず、頑張り過ぎないことが大切だ。無理をすればケガにつながる。体を痛めて運動できなければ、ジムに通う気も減退する」
「過度な運動は、身体だけでなく頭と心も疲れさせる。この疲れが溜まるとストレスにつながり、気分も憂鬱になっていやいや通うことになる。足に故障がある人は、トレッドミルの代わりにエアロバイクでもいい。『継続は力なり』で、必ずカラダの変化に気づくはず」(村上氏)
厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によると、糖尿病の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、 316万6000人。前回の調査よりも46万人以上増加しているという。
糖尿病は、高血糖状態が慢性的に続き、全身の血管が障害される<全身病>だ。治療せずに放置していたり、不十分な治療のままでいたりすると、自覚症状のないまま、さまざまな合併症を招く恐れがある。
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によれば、平成27年1年間の死因別死亡総数のうち、糖尿病による死亡数は1万3327人にも上る。
適度な運動が<カラダの炎症を抑える>という報告は、糖尿病患者にかぎらず健康やアンチエイジング心がけている人にとって興味深い知見である。
(文=編集部)