<噛む力>の低下が日本人をダメにする~明らかになった肥満や生活習慣病との関係

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
25439578.jpg柔らかい食べ物が増えて噛む力が低下(shutterstock.com)

 昔は、親が子どもに対して口うるさく「ご飯はよく噛んで食べなさい」と言ったものだ。

 ところが、数十年前から柔らかい食べ物が増えて食生活が変化し、<噛まない>日本人が増えた。グルメ番組のレポートでも、柔らかい食感はおいしいさの判定を大きく左右するほどだ。

 この<噛まない>習慣の蔓延に、警鐘を鳴らす専門家は少なくない。

 当然、食事での咀嚼回数が減れば<噛む力>は弱くなる。噛む力の低下は、歯並びの乱れや「顎関節症」の原因のひとつにもなる。また、「口呼吸」を招き、免疫力や認知機能の低下など健康にさまざまな悪影響を及ぼす。

世界初<噛めないとメタボに>が判明

 

 噛む力の低下とメタボリックシンドロームとの間に明らかな関係性がある――。

 そんな新たな知見が、世界で初めて明らかにされた。新潟大学、大阪大学、国立循環器病研究センターの共同研究グループが、歯学誌『Journal of Dentistry』(10月25日発行・電子版)に発表したものだ。

 メタボリックシンドロームは、「内臓脂肪型」の肥満に高血糖・高血圧・脂質異常などの危険因子が2つ以上重なった状態を指す。腹囲も診断基準となり、男性は85cm以上、女性は90cm以上が目安になる。

 もちろん、メタボは見た目の問題だけではなく、生活習慣病の危険を示すサインだ。脳卒中や心筋梗塞、糖尿病など、死に関わる疾患が発症するリスクが高まる。そして、近年の医学界では、口腔健康とメタボとの関係が注目されている。

 研究グループは、大阪府吹田市に住む50~70代の住民1708人を対象に基本健診と歯科検診を実施。どれくらい効率よく咀嚼ができているかを調べるため、専用に開発したグミゼリーを30回噛んでもらい、増えた表面積を算出した。

 そのうえで年齢や性別、飲酒、喫煙、歯周病などの影響を除いて解析。噛む力とメタボとの関連性を調べた。

 対象者を噛む力の強さによって4つのグループに分けて比較したところ、対象者全体では、噛む力が最も強かったグループに比べて、下から2番目に弱いグループでは、メタボ率が1.46 倍高い結果になった。

 また、70代では噛む力が最も強いグループに比べて、それより弱いグループでは1.67〜1.90倍メタボ率が高いことが分かった。その結果、噛む力の低下とメタボとの間には、明らかな関係性があると結論づけられた。

 研究グループは「噛む力を測ることで、将来的にメタボリックシンドロームになるリスクが評価できる可能性が示された」とコメント。脳卒中や心筋梗塞などの「動脈硬化性疾患」の予防において、新しい医科歯科連携の戦略につながることが期待されるという。

若いうちのEDは動脈硬化注意のサイン~不妊の原因の半分は男性である!
インタビュー「目指せフサフサピンピン!男性専門クリニック」第3回・メンズヘルスクリニック東京・小林一広院長

テストステロン(男性ホルモン)の存在に着眼し、AGA(男性型脱毛症)治療、男性皮膚治療、男性更年期、前立腺がんのサポート、男性不妊など、男性の外見や内面の健康に関わる様々な治療を独自の視点から行うメンズヘルスクリニック東京(東京・丸ノ内)の小林一広院長。第3回目は「男性妊活・男性力」について。
第1回AGA治療はコスパが重要~薄毛の悩みを抱える人は1200万人
第2回男性6人に1人が「隠れ更年期障害」! 更年期障害は女性だけの病気じゃない!!

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘