連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」第23回

「どっこいしょ」がぎっくり腰を防ぐ~無意識の心の<かけ声>がケガを減らす

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
345367757.jpg声かけがぎっくり腰を防ぐ(shutterstock.com)

 どっこいしょ――。椅子に座るときや立ち上がるとき、重いモノを抱えたり、運んだりするとき、ついつい口から出てしまうこのかけ声。

 無意識に出るかけ声は、重いモノを抱えるときの、ちょっとしたコツだ。今回は、「どっこいしょ」が医学的にどのような効果をもたらすのかを解説したい。

 ぎっくり腰になったり、腰を痛めるケースで多いのは、無意識での動作の最中だ。これには、脳のメカニズムが関係している。

 私たちは体を動かすとき、無意識に脳が「これから体を動かすぞ」という指令を出して準備をしている。

無意識の「準備」のアテが外れてぎっくり腰に

 体が動く前に、関連する筋肉がその直前に反応して準備をしている。これを専門用語で「フィードフォワード制御」と呼ぶ。

 たとえば、階段を降りていて、最後の一段があると思っていて実はなかったとき……。虚をつかれて「ガクッ」となって踏み外しそうになったことはないだろうか?

 脳では「階段がもう一段ある」という無意識の「準備」をしていたところ、アテが外れてしまい体をうまく反応できず、踏み外しそうになってしまうのだ。

 このことは、ぎっくり腰にも当てはまる。ぎっくり腰は、重いものを抱えすぎて発症するよりも、予期せぬ何気ない動作のなかに潜んでいることが多い。先ほどの「準備」が外れた状態だ。

 我々が重いものを抱えるとき、持つときには、「よし、これから重いものを持つぞ」と、声には出さずとも脳内ではそのようにイメージしている。それに対応して脳が指令を出して、体にも準備をさせるのだ。

<和温療法>は医療の基本 女性の更年期障害・不定愁訴を大幅に改善
インタビュー「性差医療をめぐって」第3回 静風荘病院・天野恵子医師

「性差医療」のパイオニアである天野恵子医師(静風荘病院・埼玉県新座市)へのインタビュー第3回は、現在、天野医師が最も注目している療法のひとつである「和温療法」について伺う。
第1回<性差医療>っていったい何? 心筋梗塞や動脈硬化でも男女で症状に違いがある!
第2回 全国の「女性外来」の共通のモットーは「紹介状は不要」「症状は問わない」「初診に30分かける」」

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病…

堤寛

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

杉田米行

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘