ストレッチが「ぎっくり腰」の原因に(shutterstock.com)
「筋肉が硬いのでストレッチをしましょう」というアドバイスを受けた人は多いだろう。ストレッチは筋肉を柔らかくする効果があり、確かに有効な場合が多い。だが、それも状況によって変わる。
今回は、腰痛とストレッチの関係について解説しよう。
静的ストレッチで「ぎっくり腰」の危険性
ストレッチは2種類に大別することができる。「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」だ。静的ストレッチは反動をつけずにゆっくりと伸長させ、動的ストレッチは時には反動を利用しながらリズミカルに行なう。
私たちが一般的にイメージする「ストレッチ」は、静的ストレッチを指すことが多い。この静的ストレッチが、時には腰痛、特にぎっくり腰を引き起こしてしまう危険性がある。
静的ストレッチは筋肉を引き伸ばして筋肉を柔らかくするが、これは筋肉の弾性を失わせてしまうことにもなる。筋肉の弾性が失われた状態とは、ゆるんだバネのように筋肉が伸びきってしまった状態だ。
つまり、筋肉を収縮させること、力を瞬間的に発揮することが難しい状態でもある。これがぎっくり腰の発生を助長する場合がある。
ぎっくり腰は、腰部に予期せぬ負担がかかり、その組織(筋肉、靭帯、椎間板など)を痛めてしまうことで生じる。この「予期せぬ」がキーワードとなる。