あの回数を増やすと"若返りホルモン"が分泌される!?

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あなたは何回噛んでいる?

 あなたのそばにいる元気なお年寄りには、何か共通するものがないだろうか?  その一つに、「歯がたくさんあって何でも食べることができる」という点があるはずだ。物をしっかり噛むことでボケを防ぎ、そのことがアンチエイジングにつながっている。

 食物を噛むことを「咀嚼」という。咀嚼という言葉は食べることだけでなく、思想や文章などを十分に理解して、"自分の物にする"ことも指す。"咀嚼する"ことは、日常生活でとても重要な行為だ。

 人は噛むという動作ができないと欲求不満が高じて、平常心を失い活動に支障をきたす。NASA(米航空宇宙局)の宇宙飛行士の食べ物が、チューブに入ったペースト状のものから固形物に変わったことはよく知られている。

 少し前までは歯が抜けても、「1本ぐらい抜けても命に別状はない」と軽視していた時代もあった。「食物を噛む」、つまり、咀嚼運動は、「食物の胃や腸での消化吸収を促すだけの補助的運動にすぎない」と思われていたのだ。

 しかし、咀嚼運動の全身へのかかわりについては、全身の運動能力の優劣を左右し、脳の働きにまで影響するとの報告があり、想像以上に全身の健康に影響を及ぼすことがわかっている。高齢者の口腔と全身機能の関係については、噛める人と噛めない人との間には大きな差があることが多数報告されている。

 現在80歳の人の口腔内の平均残存歯数は約5本だが、厚生労働省と日本歯科医師会は「80歳で20本を残す」という大きな目標を掲げている。この数字は、20本あれば物をある程度噛むことができる、全身機能を損なわないという最小限度の残存歯数として定義づけられているからだ。

咀嚼が体全体の機能を向上させる

 咀嚼と脳の関係では、噛むことで脳に送り込まれる血液や感覚情報の量が増えるので、脳の活動性が上昇し、集中力が持続する。こうした感覚は、車の運転中に眠気を覚ますためにガムを噛むなどで、私たちは経験しているはずだ。メジャーリーガーが試合中にガムを噛んでいるのも、集中力と冷静さが求められる彼らにとって、理にかなったものなのだ。

 一方、噛むことで唾液の分泌量が確実に増える。その唾液には、全身の皮膚や血管の細胞を活性化させ老化を防ぐ唾液腺ホルモンのパロチン、消化酵素であるアミラーゼ、発がん物質を減少させるペルオキシダーゼなどが含まれている。

 また、咀嚼に関係する神経や筋肉の働きによって、噛み合わせの異常は、姿勢の悪化や歩行困難、頭痛、腰痛のような自律神経失調症状を引き起こすといわれている。噛み合わせがおかしいために不定愁訴が起こり、それを改善したら症状が消失することは昔から知られている。

噛んで痩せる健康法とは?

 食欲は、脳の視床下部にある空腹中枢と満腹中枢の働きで調節されている。空腹感や満腹感は、おなかではなく脳でつくられるのだ。噛んだ時の刺激は、視床下部にある満腹中枢の周囲部位に信号を送る。よく噛めば噛むほど伝わる情報量も多くなり、そこから神経活性物質が放出されて満腹中枢を活性化する。つまり、よく噛む人ほど満腹感の形成が良好で、肥満を避けることができる。

 タンパク質中心の食事メニューに加え、「よく噛む」ことを指導し、これまで2000人を超える肥満や生活習慣病の患者を治療してきた、こくらクリニック(沖縄県)の渡辺信幸院長は次のように推奨する。

「ダイエットは無理をせずに継続できることが大事。食事の際、"よく噛んで食べる(一口30回噛む)"だけで健康的に痩せられる。費用も一切かかりません。血糖値や中性脂肪値、尿酸値などの数値が正常化していく。これまで血圧やコレステロールの薬を服用していた方が、やめられるケースも無数にあります」

 柔らかな食材に囲まれた現代人は、せめてよく噛むことを意識してみる必要がある。脳の老化防止だけでなく、ダイエットにも役立つ「よく噛む習慣」をぜひ身につけてもらいたい。
(文=編集部)

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