がん細胞を濃縮して遺伝子解析〜患者のストレスが大きい「生体診断」を安全で迅速な「液体診断」へ

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血液中にある微量のがん細胞を遺伝子解析するシステムを開発(shutterstock.com)

 アークレイ社と東京大学生産技術研究所の共同研究チーは、血液中にある微量のがん細胞(CTC)を遺伝子解析する新たな高純度濃縮システムを開発したと発表した(「日経デジタルヘルス」2016年10月19日)。 発表によると、高純度濃縮システムは、転移性がんの診断、薬剤耐性がんの経過観察、治療効果の早期判定に有用性が高いという。

 どのような手法だろう? まず、がん細胞(CTC)の仕組みを説明しよう。

がんの確定診断は、バイオプシー(生体診断)も画像診断も腫瘍マーカーも課題が多い

 がん細胞(CTC)は、血液中のがん組織の数量を測定する「バイオマーカー」だ。「血中循環腫瘍細胞」または「末梢血循環腫瘍細胞」とも呼ばれる。言い換えれば、がん細胞(CTC)は、原発腫瘍組織(最初に発生した腫瘍)または転移腫瘍組織(転移した腫瘍)から血液中へ浸潤した細胞だ。

 がんの死因の約90%は、原発腫瘍組織から他臓器への転移が原因とされる。原発腫瘍組織から血液中へ浸潤するがん組織は、自己免疫系によってほとんどが死滅するが、ごく少数のがん組織が自己免疫系をすり抜けて血液中を循環するため、他臓器に転移する。

 がんの確定診断は、がん組織の一部を採取するバイオプシー(生体診断)、CT検査によって腫瘍の大きさを評価する画像診断、血清のタンパク濃度を測定する腫瘍マーカーなどの手法を併用して行う。

 だが、バイオプシー(生体診断)は、患者の精神的・肉体的ストレスが少なくない。CT検査による画像診断は、数ヶ月間隔で実施するため、がんの大きさの変化の推移をリアルタイムに把握しにくいことから、治療の奏功率を正確に判断できない。腫瘍マーカーは、他の炎症などによっても数値が上昇するため、がんの大きさや病態との関連性を掴みにくく、確定診断を困難にしている。

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