米国で「キメラ」作成の一部を解禁! 映画『エヴォリューション』から想起される生物の<進化>

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人間の意識を持つ動物は人か動物か?

 本作のルシール・アザリロヴィック監督は、この一連の少年の変化を「エヴォリューション」=「進化」と呼ぶ。作品タイトルでもある「エヴォリューション」には、他の生物と人間の合成体を生み出すという「生物学的な進化」、そして「少年の心の成長」という2つの意味が包含されているそうだ。

人為的に生物同士を合成し新しい生き物にすることは「進化」なのか、「技術の進歩」に過ぎないのか。どちらにしろ、技術の進歩が必ずしも世界を良い方向に導くとは限らない。

 キメラ研究の医学的貢献には、計りしれないものがある。だが、この先倫理面での許容範囲が広がり規制が緩和されることがあれば、予想外のことが起こるかもしれない。

 前述のように、今回のNIHの方針には、一部の専門家から懸念が寄せられている。たとえば、ニューヨーク医科大学の研究者、スチュアート・ニューマン氏は、「極端なシナリオ」としながらも、「仮に人間の脳を持つ豚が生まれたとしたら、豚は『なぜ人間の実験に自分たちが使われているのか』と不思議に思うだろう。

 動物の脳を持つ人体を作ったら、人間は『真の人間ではないから実験も臓器摘出も可能だ』と言うかもしれない」と述べている。

 人間と動物の合成体を人間と扱うのか、動物として扱うのか、それとも既存のカテゴリに入らない存在として扱うのか――。そのような議論も、ますます活発になるだろう。

 今回紹介した『エヴォリューション』は、美しさと不気味さと妖しさを併せ持つ、理屈では理解できない感覚的な作品だ。しかし、現実世界における何らかの未来が暗示されているような気がしてならない。
(文=編集部)

『エヴォリューション』
 2015/フランス、スペイン、ベルギー/フランス語/81分
 原題:EVOLUTION
 脚本&監督:ルシール・アザリロヴィック
 出演:マックス・ブラバン、ロクサーヌ・デュラン、ジュリー=マリー・パルマンティエほか
 配給・宣伝:アップリンク
 公式HP:http://www.uplink.co.jp/evolution/
 © LES FILMS DU WORSO • NOODLES PRODUCTION • VOLCANO FILMS • EVO FILMS A.I.E. • SCOPE PICTURES • LEFT FIELD VENTURES / DEPOT LEGAL 2015
 2016年11月26日(土)より、渋谷アップリンク、新宿シネマカリテ(モーニング&レイト)ほか全国順次公開

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