乳酸菌やビフィズス菌はダイエットの強い味方(shutterstock.com)
肥満は万病のもと。動脈硬化や脳血管疾患、心臓疾患、さらには糖尿病などいわゆるすべての生活習慣病につながる。見た目の問題だけではなく、ダイエットは健康にもおおいに関係する。常日頃から痩(や)せたいと思っている人は少なくないだろう。
乳酸菌はダイエットにも強い味方になってくれる。
基礎代謝率をアップで痩せ体質になる
ダイエットで大切なことは、食べた分のエネルギーをきちんと消化することだ。痩せるためには、ただ単純に食べる量を減らせばよいというものではない。もちろん、摂取カロリーを抑えることは必要だが、それだけでは必要な栄養がとれず体にいろいろな支障が起こりかねない。理想は食べた分のエネルギーがきちんと消費できること。そうすれば太ることもない。
そうは言っても、食べた分だけ体を動かすというのは容易ではない。特に、年齢とともに基礎代謝率が落ちるため、体重は減りづらくなる。
そこで考えたいのが、体の「基礎代謝率をアップ」すること。血行や内臓機能をよくして消費カロリーを高め、不要なものを溜めこまず、排泄をする。このようなエネルギー効率のよい体になるためには、腸の中の環境を整えることだ。
腸の中の善玉菌を増やし、便秘や下痢をなくして腐敗物をきちんと排泄し、血行をよくして栄養分の消化・吸収を助ける。そのために、乳酸菌やビフィズス菌によって「腸内環境を整える」ことは大切なのだ。
さらに、最近の研究で、同じ食事や生活をしていても太りやすい人と太りづらい人がいて、それに腸内細菌の種類が関わっていることがわかってきた。これはワシントン大学での研究によるものだ。
腸内細菌のある一群は「ファーミキューテス類」と「バクテロイデーテス類」に分類することができる。太ったマウスと痩せたマウスを比べたところ、太ったマウスにはファーミキューテス類の腸内細菌が多く、痩せたマウスにはバクテロイデーテス類の細菌が多いということがわかった。
この報告によって、ファーミキューテス類は「デブ菌」、バクテロイデーテス類は「ヤセ菌」とよばれ、注目を浴びるようになった。痩せたい人はこの「デブ菌」を減らし「ヤセ菌」を増やすことで痩せやすい体質になるのではないかと考えられる。そのためにも、乳酸菌やビフィズス菌で腸内環境を整えることは効果的なのだ。