連載「ここまで治る!放射線治療」第5回

子どもと大人で原因が異なる「もやもや病」とは? 徳永英明さんは脳梗塞予防のため開頭手術

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病名は血管の集まりが「タバコの煙のもやもやした様子」に似ていることから(shutterstock.com)

 今年2月、シンガーソングライターの徳永英明さんが、もやもや病による脳梗塞の発症予防のため、開頭手術を受けたと報じられた。

 もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)とは、両側の内頚動脈の末梢がだんだん細くなり、最後には閉塞してきて、その代わりに細いもやもやした血管が脳に血液を供給するようになる病気だ。厚生労働省が定めた特定疾患(難病)に指定されている。

 以前は「ウィリス動脈輪閉塞症」という名称で呼ばれていたが、現在は「もやもや病」が正式な疾患名だ。脳血管造影の画像で細い血管の集まりが「タバコの煙のもやもやした様子」に似ていることから、この名前がつけられた。

 日本人の患者数は、平成24年時点でおよそ1万5000人(難病情報センターより)。男女比では1:2.5で女性のほうが多く、年齢別に見ると10歳以下の子供で最も多く、次いで30~40代の成人に多く見られる。

 若年型もやもや病は、一過性脳虚血発作で発症することが多い。一方、成人型もやもや病は、脳梗塞や脳出血で発症し、脳動脈瘤を合併することもよくある。

 一過性脳虚血発作は、脳局所症状(片麻痺や言語障害)が24時間以内に消失するものを指し、その多くは数分で症状が消失する。ラーメンをフーフーいって食べたときやハーモニカを吹いたとき、または短距離走をしたとき、一時的に手足が動かなくなったり呂律が回らなくなったりするが、これらの一過性脳虚血発作は過呼吸が関係する。

 また、一過性脳虚血発作を失神(意識消失発作)と混同している人が多いが、失神のほとんどは心原性や迷走神経反射が原因だ。なかでもアダムス・ストークス症候群は、不整脈が原因の失神である。

 子どもが一過性脳虚血発作に陥った場合、急いで救急要請をしても、救急隊が駆けつけたときには麻痺も消失し、普通の状態になっていることがほとんどだ。ただし、救急隊員の方々には、子どもも脳卒中を起こすことは知っておかなくてはいけない。親御さんの話をよく聞き、脳卒中が疑われたら、病院にすぐ搬送していただきたい。

高橋伸明(たかはし・のぶあき)

福岡記念クリニック院長。脳神経外科医。還暦を期にメスを置き、新たにガンマナイフを駆使した治療を精力的に実施。ガンマナイフ治療および放射線治療・検査の第一人者。1973年、鳥取大学医学部卒業後、北野病院、国立循環器病センター(ともに大阪府)を経て、1983年、小文字病院(福岡県)副院長(脳神経外科部長)。福岡記念病院副院長(脳神経外科部長)を経て、同院院長、2009年に同院名誉院長に就任。2014年より現職。

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