俳優・松方弘樹は「脳リンパ腫」だった〜罹患率は10万人に1人、抗がん剤治療や放射線治療で闘病

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
hirokimatsukata.jpg

脳腫瘍ではなく脳リンパ腫と判明した松方弘樹さん(写真は公式ブログより)

 3月2日付けのスポニチアネックスなどの報道によると、脳腫瘍の疑いで長期療養していた俳優の松方弘樹さん(73)は、脳リンパ腫(中枢神経系リンパ腫)だったことがわかった。

 松方さんは、2月13日に体調不良を訴え、都内の病院を受診後、18日に他院で精密検査入院。MRI(核磁気共鳴画像法)による画像検査の結果、脳腫瘍の疑いがあるため長期療養に入り、25日に頭部に小さな穴を開け、内視鏡で脳細胞の一部を採取・検査する生検(定位的脳腫瘍生検術)を受けた。頭部の穴が完全にふさがれば、3月7日ごろから抗がん剤治療が始まる。

 主治医は「脳にリンパ腫ができる症例は少ない。悪性だが、他の部位からの転移ではない。抗がん剤が効けば、秋には完全に治る見込みが高い。症状によっては放射線治療を追加する可能性もある」と語っている。

 関係者によると、現在、松方さんは、右の手足にしびれが残り、顔色はあまり良くない。だが、激しい頭痛や意識混濁などの症状はなく、食欲は旺盛らしい。細菌感染を防ぐために面会謝絶だが、会話をしたり、車いすで室外への移動もできる。

 東京医科大学病院の三木保副院長(脳神経外科医)は「脳リンパ腫は脳の深部にできる悪性リンパ腫で60歳以上の男性に多い。原因不明のため、手術は困難だが、抗がん剤や放射線などの化学療法が良く効く。再発の可能性はあるが、復帰できるだろう」と説明している。

発症率2~6%、10万人に1人という稀な脳リンパ腫!

 脳腫瘍の一種である脳リンパ腫(中枢神経系リンパ腫)は、正式には中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma; PCNSL)と呼ばれる。大脳の前頭葉、側頭葉、基底核、脳室周囲、脳梁のほか、リンパ腺、眼球、脊髄などに腫瘍ができる悪性の脳腫瘍だ。脳腫瘍のなかでも発症率は2~6%、10万人に1人という稀な疾患で、中高年の男性に発症しやすく、進行も早い。失語、まひ、頭痛、吐気、嘔吐などを伴うことがある。

 脳リンパ腫は、病理診断上は、ホジキンリンパ腫(B細胞由来)と非ホジキンリンパ腫(B細胞およびT/NK細胞由来) に分けられる。診断はB細胞のマーカーのCD20(L-26)や CD79a、T/NK細胞のマーカーのCD3(Leu-4)やCD56などを用いた免疫染色によって行われる。

 ホジキンリンパ腫は、リンパ節からリンパ節へ広がるため、中枢神経系から発生したり、中枢神経系へ転移したりすることは少ない。報道では、松方さんの脳リンパ腫は、転移した腫瘍でないことから、ホジキンリンパ腫と推察できる。

子どもが発熱してもあわてない! 薬を減らして免疫力を育てよう
インタビュー「飲むべきか、飲まざるべきか、それが薬の大問題」第1回・とりうみ小児科院長・鳥海佳代子医師

過剰医療を招く一因ともいわれる、わが国の医療機関への「出来高払い制」。国民皆保険制度によって恵まれた医療を享受できる一方、<お薬好き>の国民性も生み出す功罪の両面がある。薬は必要なときに、必要な分だけ――限りある医療資源を有効に使う私たちの賢い選択とは? とりうみ小児科の鳥海佳代子院長に訊く。

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子