乳房全摘と再建を告白した生稲晃子さん(オフィシャルブログより)
元「おニャン子クラブ」でタレントとして活動する生稲晃子さん (48) の体験が、話題を呼んでいる。
生稲さんは昨年11月、5度にわたる乳がん手術と乳房再建を告白。そして、48歳の誕生日を迎えた今年4月28日、その思いを綴った闘病記『右胸にありがとう そしてさようなら』(光文社)を刊行した。
2011年に早期の乳がんが発見された生稲さんは、まず腫瘍の部分だけを取り除く乳房温存術を受ける。ところが2度の再発を経て、苦渋の選択の末に全摘手術と乳房を人工的に元の形に戻す再建手術を行った。
生稲さんは、「全摘」を告げられた時の気持ちをこう書いている。
〈「今回はがんのある部分を切除しますが、病変を調べてその後、日を改めて全摘をしたほうがいいと思います」と、そう一気に告げられた。
全摘? このころは乳がんの情報をいくらか仕入れていた私は、いままで受けていた部分切除と乳房の全摘とでは、女性にとって天と地ほども差があるのだということを理解していた。全摘とは全部取ってしまうということ……。自分の体がこのあとどうなっていくのか想像がつかない〉
技術の進歩がハリウッド女優を全摘決断に
「女性のシンボル」でもある乳房を失くすことは、心理的なダメージが大きい。そこで近年では、最初から再建を予定に組み込んだ乳房全摘同時再建術で、身体の組織やシリコン・インプラントを使い再建できるようになった。
一方では、まだ乳がんが発症していないにも関わらず、乳房全摘と再建という道を選んだ著名人もいる。2013年に乳房切除と再建の手術を受けた、ハリウッド女優、アンジョリーナ・ジョリーさんだ。
BRCA1というがん遺伝子の保有者であり、将来がんになる確率が高いとされた彼女は、乳房の中身を切除し、後日シリコン・インプラントを詰め込む手術を受けた。
将来的なリスクがあるという段階で全摘手術にまで踏み込んだのも、それだけ乳房を美しく再建する技術が進歩したことも、少なからず判断に影響を与えただろう。