美容医療の敷居は低くなった(shutterstock.com)
みなさんは「美容医療」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか? または、「美容医療」という分野にピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんね。
私が美容外科医になって12年が経ちます。当時、外科医として総合病院に勤務をしていた私は、医学部時代からの親しい同僚に「美容外科の医師を募集しているから話を聞いてみたらどうか」といわれたことがきっかけで、この道に入りました。
その頃から、テレビCMや雑誌などで美容クリニックの宣伝・広告は行われていましたし、およその理解はしていたつもりでした。ところが、詳しく話しを聞いたり調べていくうちに、美容外科という診療科目の奥深さに魅かれ、「この分野をより一層極めていきたい!」と診療に励んでいます。
美容医療とは何か?
美容医療とは、健康上の不具合やケガを治すのではなく、外見を整容的(美容的)に改善、またはよりよくするためのものです。施術を受けることで見た目がよくなり、心身ともに今より満足度を高める医療、というのが特性といえるでしょう。言い換えれば、病気やケガの治療のように“急を要さない”医療でもあります。
日本では1978年に「美容外科」が標榜科目として国に認可され、以来、美容外科学会が発足するなど発展を続けています。
そんな特性をもつ美容医療には、メスを使用する手術による美容外科治療と、レーザーや注射などメスを使わない治療があります。具体的にあげると、豊胸術や脂肪吸引、二重まぶたにしたり、鼻にシリコンを入れて高くするといった治療は美容外科手術です。一方で、シミやしわを目立たなくしたいといった治療は、メスを使わずレーザーや注入(注射)によるものです。近年、増えている美容皮膚科を専門とするクリニックでも受けることができます。