“トイレでスマホ”は痔の危険(shutterstock.com)
純粋な用足しが「スマホ同伴」に変わって以降、トイレの滞在時間が確実に伸びた気がする。心当たりのある人は要注意。スマホ依存を患うと「考える人」も不衛生で、ただの「痔主」に没落してしまう、という警告話だ。
いまやデジタル機器のトイレ持ち込み率は世界中で上昇中。英国の衛生用品会社Cuticura Anti Bacterial Hand Washの2000人を対象とした調査では「3人に2人」がスマホやタブレット端末をトイレに同伴し、男性は70%、女性は57%を占めたという。
同伴目的の首位回答は「ゲーム」だったが、FacebookやTwitterの更新チェック組も多く、半ば用足しを偽装しての個室化疑惑もぬぐえぬような趨勢だ。
ケータイ打ちの不衛生度は便器の5倍
一方、ハンドソープを販売する同社の調査報告ゆえ、「手洗いをしない最近の若者」傾向にも注意を喚起している。なぜならば「キーボードは便器の5倍も不衛生」だというのだから、神経質な人ならばもう一度手洗いに立ちたくなるほどの数値だろう。
米国家庭医学会(AAFP)のジェフリー・ケイン会長によれば、スマホは「異常な数の糞便性大腸菌が付着している、病原菌の温床」だ。サウスカロライナ医大で免疫学と微生物学の教鞭をとるマイケル・シュミット教授も「画面上のあぶら汚れには微生物がおり、そこをタッチする私たちは彼らにエサをあたえているに等しい」と異口同音の指摘を語る。
これらの前提を念頭におき、公衆便所でも手放さずに“スマホる”人の連鎖図を連想してほしい。不特定多数の利用者がまき散らした大腸菌やインフルエンザを付着させて(かつ手も洗わずに)用足し後の彼(ら)が結果、はた迷惑な存在にもなりかねないのだ。
画面上の細菌類の撃退効果は、アルコール消毒がほぼ100%で最もいいとか(インディア州・HML研究室の検査報告)。ところが、アップル社のトリセツ上では「ガラス用洗剤/ シンナー/ 研磨剤etc」と同様、アルコールの使用禁止も併記されている。
細菌撃退法については危険回避のためか、携帯電話各社も総じて公式見解や推奨例を表明していないのが一般的だ。また、家庭用化成品で知られるSCジョンソン社の広報マンも、自社製のガラス用クリーナーを「デジタル機器には奨められない」と慎重な姿勢をくずさない。