インタビュー「足病変なら何でも診る。表参道に米国発『足病学』専門クリニックがオープン」第3回 足のクリニック表参道 桑原 靖院長

足の寿命を伸ばすために必須のセルフケア&受けておきたい「足科検診」

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インソールとアキレス腱ストレッチの重要性

 前回のインタビューで紹介したとおり、足のアーチ構造を保持するためにはインソールが有効である。ただし、土踏まずとかかと部分が柔らかいものは体重を支えられないので、固い素材の方がいいとのこと。

 「市販のインソールを使う場合には、かかとの部分が固く、土踏まずの部分が立体的に作られているものを選んでください」

 インソールを使用しても症状が改善されない場合は、医師に相談することも大切だ。

 加えて桑原院長は、日頃からできるセルフケアとして「アキレス腱のストレッチ」を挙げる。

 「意識して、アキレス腱をよく伸ばすようにしてください。アキレス腱が伸びないと歩く時に足の前の方に負担がかかってしまうので、トラブルが起こりやすくなります」

 ハイヒールを長く履いているとアキレス腱が硬くなりやすい。硬くなって柔軟性がなくなると、ヒールを脱いで平らな地面に足をついたり、フラットシューズを履いたときに、足裏までつながっている腱が伸ばされて痛みが生じることがある。「ハイヒールの方が楽」というのは、アキレス腱が縮んでいるサインかもしれないので注意が必要だ。

具体的なストレッチ方法は、

①肘をまっすぐにのばして壁に手を付ける。
②伸ばしたい足を後ろに下げ、前のひざをゆっくりと曲げていく。
③アキレス腱がやや突っ張る程度の状態でそのまま静止

 この時、つま先をまっすぐ前に向け、かかとを床につけて、反動をつけずにゆっくりと伸ばすのがポイントである。

 前回のインタビューでも紹介したが、「足底筋膜炎」の予防や治療にも効果がある。
よくハイヒールを履く人は特に意識して、アキレス腱を伸ばしておきたい。

 足は一生のパートナー。できる限り良い状態で、長く付き合っていきたい。そのために、今日からできるセルフケアをしっかりして、それでも不調が生じたときには、早めに専門家に相談しよう。

桑原靖(くわはら・やすし)

足のクリニック表参道(www.ashi-clinic.jp)院長。1978年、静岡県生まれ。2004年、埼玉医科大学医学部を卒業。2006年、同大医学部形成外科入局。創傷治癒学、難治性創傷治療を専攻。外来医長、フットケア担当医師を経て、2013年、「足の診療所」を開設。2017年、医療法人社団 輝幸会「足のクリニック表参」に改称。道埼玉医科大学形成外科非常勤医師、日本下肢救済・足病学会評議員。

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