山口智子さんの「産まない選択」に励まされた女性たち〜一方で卵子の凍結保存を推進する時代?

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子供のいない人生を選択していた山口智子さん(写真は講談社のJOSEISHI.NETより)

 人気女優の山口智子さん(51)が、女性誌『FRaU(フラウ)』2016年3月号のインタビューで「子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも一片の後悔もないです」と告白し、大きな反響を呼んだ。

 山口さんは1995年に人気俳優の唐沢寿明さん(52)と結婚。理想のカップルとしての好感度は今も変わらない。結婚後は華やかな芸能界から離れていたことから、「妊活では?」などさまざまな憶測が流れていただけに、今回の告白は衝撃的だった。

 「産まない女はダメですか?」と問いかけた山口さんの勇気あるメッセージは、「産めない」「産まない」女性の励みにもなったようだ。

 いまでも日本では「子供を産んで一人前」という社会的風潮が根強く残っている。結婚して数年経っても子供がいない女性をつかまえて「子供まだ?」などと訊く無神経なおじさん、おばさんがその類だ。

「子供を2人以上産み育てよ」と訓示した男性校長

 山口さんの話題がさめやらぬうちに、こんな問題も起こった。大阪府の市立中学校の男性校長(61)が全校集会で「女性にとって最も大切なことは子供を2人以上産み育てること。仕事のキャリアを積むことよりも子供を産むことが大事」と訓示したのだ。

 批判を受け、教育委員会が対応に追われているが、この校長は自分の主張を譲らない。テレビのインタビューに答え「子供を産まないでどんどん人口減少が加速すれば将来、年金額は8分の1になるんですよ」と主張。

 この発言について「産む産まないの問題に他人が口をはさむことはない。しかも中学生に」、「言っていることは間違いでないかもしれないが、全校集会でいうべきことか」など社会問題となった(大阪市教育委員会は、3月28日、3月末の再任用の任期満了に伴い、校長を退職すると発表)。

 実際、今の10代に、「まず子供を早く産んでしまおう。仕事は子育てが終ってからでもできる」という良妻賢母的な生き方論は通じるだろうか? 「大人の身勝手、古い価値観」「結婚よりもしたいことがある」と答えるに決っている。誰だって「産む、産まないぐらい自由にさせてほしい」のだ。

 しかし、女性がキャリアを積んで「そろそろ産もうか」と考えたときには、「時すでに遅し」ということもある。いくら高齢出産が当たり前の時代になったとはいえ、30代半ば以降、卵子の質が下がりはじめ、30代後半には数が激減する。その危機を乗り切るための方策が卵子凍結だ。

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