声優・朴璐美さんは「更年期障害」か? 公表された診断名から読み解く

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アラフォー世代の女性を襲う真犯人の正体は?

 では、朴さんを降板決意に追い込んだ〝真犯人〟の正体はいったい何なのだろうか? あくまで憶測の域は出ないが、最も注目すべき推定材料は「1972年1月生まれの44歳」という朴さんの年齢だ。

 結論から書けば「不定愁訴」が人気声優を降板へと追いつめたのではないだろうか? 不定愁訴とは言い得て妙だが、どうも最近は「イライラする」「疲労が抜けない」「頭が重い」「不眠傾向が続く」などの総称である。

 体調の悪さを本人はそんな自覚症状で訴えるものの、いざ検査を受けても病因が見当たらない状態を「不定愁訴」と呼ぶ。初耳という方も「更年期」という言い方はご存じだろう。そう、よく聞く更年期障害の正式名称が「更年期不定愁訴症候群」なのである。

 器質的な疾患が見当たらないのに様々な症状を訴える。頭痛・腹痛・倦怠感など症状の個人差はあるが、血液・血圧検査でも数値上の異常は認められない。web公表された朴さんの3つの病名が物語るとおり、関連のない複数の部位で同時に症状が現われるのも特徴だ。

 倦怠感のように全身に及ぶ症状もあれば、めまいが引いても頭痛が残る、頭痛が治っても今度は腹痛に襲われ、というタチの悪い不安定さでだらだらと続くのも特徴である。

 こんな不定愁訴を「更年期症状」と呼び、さらに日常生活に支障が出るほどの症状に悩まされれば「更年期障害」へ負の昇格となる。原因はずばり加齢に伴う卵胞ホルモン(エストロゲン:Estrogen)の急激な減少によるバランスの崩れだ。

 では、更年期の定義はあるのかといえば、これも症状同様に個人差があって何とも曖昧。が、通常は近年「アラフォー」と呼ばれる30代後半~40代前半がその予備軍とされ、「プレ更年期(障害)」と総称される軽い症状の時期を迎える。

 要は40代後半~50代前半の季節が「更年期」に相当するが、脳の視床下部にある下垂体が分泌指令を出しても卵巣機能の衰えからエストロゲンが出にくくなるのが45歳を過ぎる頃から。

 もう一度、人気声優の「44歳」という年齢を鑑みれば、まさに「プレ」が取れるか取れないかの端境期だと思い当たる。不定愁訴とは実になんとも酷な名称だが、今回の一件からも命名者のハイセンスぶりが伺える。朴璐美さんの回復を祈りたい。
(文=編集部)

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