お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる~喉や食道のがんリスクに注意したい「フラッシング反応」

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
335338-2.jpg

少量の飲酒で顔面紅潮や頭痛などが生じるフラッシング反応(shutterstock.com)

 下戸ではないが、「すぐ顔に出ちゃうんで、最初の1~2杯程度なら」と照れ笑いを交えて盃を差し出す人がいる。遠慮でないのはわかる、その1杯目で顔がもう十分真っ赤かの茹ダコ状態なのだから……。これをフラッシング反応(Flushing reaction)と呼ぶ。

 このような飲酒による一時的な赤ら顔は病気ではない。しかし、下戸でも病気でもない相手だからといって「イケる口じゃないですか、さぁ、もう1杯、グググッと」なんて次から次へと酒を勧めるのは禁物だ。病気でない人の罹患率を高めてしまう可能性がある。

80歳までに「5人に1人(20%)」が喉や食道のがんに

 松尾恵太郎・愛知県がんセンター研究所部長らが先日、欧州の医学誌に発表した研究報告が耳目を集めている。なんでも飲酒で即、顔を赤らめる体質の人が大量飲酒を続けると、80歳までに「5人に1人(20%)」が喉や食道のがんになる公算を突き止めたという。

 松尾部長らは研究に際し、がん患者(約1300人)とがんではない人たち(約1900人)を対象に、酒の分解にかかわる遺伝子「ALDH2」の型および飲酒習慣を調べた。

 この2型アルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase 2 : ALDH2)は、アルコールの代謝で生ずるアセトアルデヒドを酸化する酵素であり、人それぞれの酒に強い/弱いはこの酵素の遺伝的多型(polymorphism)に大きく依存して影響されている。

 今回の分析結果によれば、下戸ではないが赤くなる遺伝子型を持つ人の場合、アルコール量にして1回46g以上(=日本酒換算で2合以上に相当)、それを5日以上摂取すると、前述のごとく、80歳までに咽頭がん食道がんになる確率が約20%に達すると判明した。

 従来からフラッシング反応を有する人のがんの可能性/危険性については報告例があるものの、その具体的確率を詳細な調査で算出した点が、今回の研究の真新しさである。

 アルデヒド脱水素酵素(ALDH)には、アルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があり、日本人の約半数は生来「ALDH2」の活性が弱いか欠けている。

部下や同僚が「うつ病」になったら? リワークのプログラムの提供施設は全国200以上に拡大
インタビュー「職場でのうつ病の再発を防ぐ」秋山剛医師(NTT東日本関東病院精神神経科部長)

第1回:「障害」が疑われる人の<うつ休職>
第2回:「新型うつ」はどう治す?
第3回:部下や同僚が「うつ病」になったら?
うつ病で休職中の社員が、毎日決まった時間に病院に通い、同じうつ病の仲間とともに再発を防ぐためのプログラムを受けることが「うつ病のリワーク」と呼ばれ注目を集めている。

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

こくらクリニック院長。1963年生まれ。1991…

渡辺信幸

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学…

後藤利夫