サントリーの「オールフリー」は世界初コラーゲン入り(サントリーの公式HPより)
夏の宴会はやっぱりビール! グラスを高々とあげて「乾杯!」、冷えたヤツをゴクリと飲むうまさは、なにものにも変えがたい。
だが、いくらうまそうでも、飲みたくても飲めな人はいる。たとえば、車を運転中の人、妊娠中や授乳期の人、あるいは体質的にアルコールを受け付けない下戸の人......。
だとしても飲みたい、この喜びを味わいたい、という人に向けて、国内のビールメーカー4社は、ノンアルコールビールを発売中だ。その戦略を見ると、あの会社だけが独自路線を打ち出していることがわかる。
トクホや機能性食品で健康志向の中年男性の心をつかむか!?
サントリー、キリン、アサヒ、サッポロの4社のうち、サントリーを除く3社のノンアルコールビールには、「難消化性デキストリン」が入っている。これは、トウモロコシのデンプンから作られた水溶性の食物繊維で、体内で糖や脂肪の吸収スピードを遅らせる作用がある。
キリンの「パーフェクト フリー」はスレンダーな蒼井優がピザや焼肉をガブリと食べるCMで、また、アサヒの「スタイル バランス」はフィギアスケートの浅田真央選手が大きなサンドイッチをほおばるCMだ。それぞれ"糖と脂肪"の吸収を抑える作用をアピールしている。これを飲めば「ガッツリ食べてもスリムなままですよ」というわけだ。
サッポロの「サッポロ プラス」も、やはり難消化性デキストリン入りだが、こちらは「トクホ(特定保健用食品)」ということで、やや格上感がある。先のキリンとアサヒの2製品は「機能性食品」なのだ。
トクホ(特定保健用食品)を国に申請するためには、ヒトへの臨床試験が必要で、多額の費用がかかる。さらに、申請から審査を経て許可が下りるまで2年ほどの時間もかかるという。一方、機能性食品は企業が発売の60日前までに科学的根拠を示す論文などを添えて消費者庁に申請すればよい。ハードルはトクホよりかなり低いのだ。
「トクホ サッポロ プラス」のCMは、40代の国分太一が中華などを食べまくり、糖の吸収を抑える作用を訴える。血糖値やメタボが気になる中年男性がターゲットだ。