連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第9回

便秘に効く「ヨーグルト」はコレ! 善玉菌を増やす乳酸菌の種類が重要

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便秘には乳酸菌!(shutterstock.com)

 「便秘解消にはヨーグルトを食べればいい」というのはよく聞く言葉だ。では、どうしてヨーグルトは便秘に効果があるのだろうか?

 我々の腸の中には100兆個もの腸内細菌が棲みついている。この腸内細菌の環境が人間の排便には欠かせない。通常、その腸内細菌の1割は善玉菌とよばれる健康によい影響を与えるもの。逆に便秘などを引き起こす悪玉菌が約1割。残りの8割は特に影響のない日和見菌と呼ばれるものだ。

 健康な人の腸には、善玉菌が多く棲み、腸内は酸性に保たれている。この酸が悪玉菌の増殖を抑え、腸内のバランスを保っている。

善玉菌を増やして腸の蠕動運動を活発にする

 ところが、何らかの原因で腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増えて腸内はアルカリ性となり、普段は特に健康に影響を与えない日和見菌まで悪玉化して、腸内環境は悪化していく。

 アルカリ性にかたむいた腸内では、腐敗物がたまりやすく、ますます便秘もひどくなるという悪循環に陥ってしまう。そのような腸内環境のもとでは、便やオナラのにおいも臭くなる。

 便秘を解消するためには、腸内の善玉菌をいかに増やすかにかかっている。そこで、善玉菌である乳酸菌を多く含むヨーグルトを食べることで、腸内の善玉菌の割合が増え、おなかの中は酸性となり、それが腸の蠕動運動を刺激して便秘が解消されるというわけだ。

 実際、便秘を解消する効果の高い乳酸菌を含むヨーグルトを定期的に摂取することで、便秘がちだった人の便秘が解消されたという実験データは数多く存在する。

 便秘に悩まされるのは、男女で見ると圧倒的に女性に多い。男性と女性を比較すると、女性のほうが腸が長い傾向にあるため排便しづらいことや、腹筋や横隔膜など排泄に必要な筋肉が弱いといったことなどが、理由として考えられる。

 また、普段、体をあまり動かしていない人や、筋力の落ちた高齢者のなかにも便秘に悩まされる人が少なくない。そのような人たちにも、手軽においしく食べられるヨーグルトはおすすめだ。

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

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