便秘には乳酸菌!(shutterstock.com)
「便秘解消にはヨーグルトを食べればいい」というのはよく聞く言葉だ。では、どうしてヨーグルトは便秘に効果があるのだろうか?
我々の腸の中には100兆個もの腸内細菌が棲みついている。この腸内細菌の環境が人間の排便には欠かせない。通常、その腸内細菌の1割は善玉菌とよばれる健康によい影響を与えるもの。逆に便秘などを引き起こす悪玉菌が約1割。残りの8割は特に影響のない日和見菌と呼ばれるものだ。
健康な人の腸には、善玉菌が多く棲み、腸内は酸性に保たれている。この酸が悪玉菌の増殖を抑え、腸内のバランスを保っている。
善玉菌を増やして腸の蠕動運動を活発にする
ところが、何らかの原因で腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増えて腸内はアルカリ性となり、普段は特に健康に影響を与えない日和見菌まで悪玉化して、腸内環境は悪化していく。
アルカリ性にかたむいた腸内では、腐敗物がたまりやすく、ますます便秘もひどくなるという悪循環に陥ってしまう。そのような腸内環境のもとでは、便やオナラのにおいも臭くなる。
便秘を解消するためには、腸内の善玉菌をいかに増やすかにかかっている。そこで、善玉菌である乳酸菌を多く含むヨーグルトを食べることで、腸内の善玉菌の割合が増え、おなかの中は酸性となり、それが腸の蠕動運動を刺激して便秘が解消されるというわけだ。
実際、便秘を解消する効果の高い乳酸菌を含むヨーグルトを定期的に摂取することで、便秘がちだった人の便秘が解消されたという実験データは数多く存在する。
便秘に悩まされるのは、男女で見ると圧倒的に女性に多い。男性と女性を比較すると、女性のほうが腸が長い傾向にあるため排便しづらいことや、腹筋や横隔膜など排泄に必要な筋肉が弱いといったことなどが、理由として考えられる。
また、普段、体をあまり動かしていない人や、筋力の落ちた高齢者のなかにも便秘に悩まされる人が少なくない。そのような人たちにも、手軽においしく食べられるヨーグルトはおすすめだ。