連載第6回 心に響く闘病記ガイド

【闘病記】小児がんで「子どもの命があとわずか」と知らされた両親と子どもの戦い

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『陽介、パパがついてるぞ』(西田修/かもがわ出版)

 著者の西田修さんは、京都大学医学部卒の医師。学生時代に知り合った妻と結婚し、3人の子どもが生まれ、京大病院の老年科で働いていました。ところが、1988年、小学2年生の次男・陽介くんが「B細胞性急性リンパ性白血病」を発症。きわめて危険度の高い白血病でしたが、脊髄腔に抗がん剤を注入するなど、小児科の医師たちによる懸命の治療で命は救われました。しかし、治療開始から3カ月たったころから、陽介くんは「ハア? ハア?」と独り言を言い、失禁し、意思疎通ができなくなる......。抗がん剤治療による副作用でした。脳障害が残ることを知ってからの記述は読んでいて息苦しくなることも。父が息子に「陽介、パパがついてるぞ」と語りかける場面が心にしみます。


『碧い夜明けに母となる――小児ガンとの闘いの記録』(浅野多歌子/遊タイム出版)

 浅野多歌子さんは、結婚と同時に母親と保育園を始め、2人の娘に恵まれます。3歳に満たない長女・文歌ちゃんの右耳下が膨れているのに気づいたのは、クリスマスのころ。最初の病院では「耳下腺炎」と診断されますが、抗生物質でも腫れは引かず、1カ月後に訪れた大学病院で「バーキット型の悪性リンパ腫」の進行度Ⅳ期と診断されます。頭、耳下、胃と腸の間(回盲部)、目の裏の骨にも腫瘍が見つかり、7カ月の入院生活が始まります。やがて「寛解」と呼ばれる「がん細胞が見えなくなった状態」で退院、再発の目安である5年が過ぎたとき、娘の寝顔を見つめながら、著者の多歌子さんは、自分がやっと本当の「母親」になれたのではないかと実感するのでした。


『わたしの家の戦士と天使』(高遠勲・高遠郁/文芸社)

 飛行機好きの航空エンジニアだった夫(勲)と妻(郁)との間に生まれた男の子(翼)と妹(愛)。兄妹そろって保育園に通っていた1998年、翼くんのヒザの裏に骨肉腫が見つかります。主治医から告げられた5年生存率は10%。治療計画は、がん細胞を化学療法で叩いてから右足を切断し、妹からの骨髄移植というものでした。実際には、さらに両肺の病巣部手術、IVH(中心静脈栄養法)カテーテル手術も加わり、退院までには20カ月を要します。翼くんは右足が義足になり、小児がんには再発、晩期障害の恐れもある。本書では、中学3年生になった翼くんを励ますため、両親がそれぞれの立場から、交互に闘病の日々を振り返っています。


『愛してるよカズ――小児ガンと闘った母親と息子の愛の記録』(光武綾/長崎文献社)

 小児がんの治療法が進歩したとはいえ、命を救えないケースはあります。「子どもの命があとわずか」と知ったとき、親はどう対処したらいいのか? 光武上総(カズ)くんは1999年生まれ。母親の綾さんは看護師で出産時24歳、父親は製薬会社の営業職で25歳、若い夫婦でした。カズくんが2歳のとき、側頭部に横紋筋肉腫(RMS)が見つかります。腫瘍は摘出されましたが幼稚園に入園後に再発、小学校入学後も再々発します。再発のたびにリンパ節を摘出し、抗がん剤治療で腫瘍を抑えるものの、治療の副作用で骨髄異形成症候群(MDS)を発症、腎臓が悪化していたため骨髄移植もできず、医師から「治療をやめるしかない」と告げられます。カズくんが心停止を迎えると、綾さんは延命治療を辞退し、椅子に座り、腕の中でカズくんを看取ります......。7歳10カ月でした。本書には、長崎文化放送が撮影した入院中のカズくんの様子を記録したDVDが付録としてついています。




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星野史雄

星野史雄(ほしのふみお)
東京家政大学非常勤講師。1997年、妻が乳がんで亡くなったことをきっかけに闘病記を集め始め、翌年、闘病記専門古書店「パラメディカ」を開店。自信も2010年に直腸がんが見つかり、手術。大腸がんの闘病記を過去に100冊以上読んでいた知識が、自身の闘病にも役に立っている。共同編著に『がん闘病記読書案内』(三省堂)。自らの闘病体験を記した『闘病記専門書店の店主が、がんになって考えたこと』(産経新聞出版)がある。
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薄毛で悩む女性といえば、つい最近まで中高年だった。ところがここ10年ぐらいの間に20~30代女性も増えているという。原因はストレスや過度のダイエットによるバランスの崩れなど。そのため生活全般の見直しも必要になっている。女性の薄毛の原因となりやすい人の傾向、病状による治療や最新治療を、銀座HSクリニックの北島渉先生に訊いた。