臨床の現場で実感するのは、この時期、多くの女性がサプリメントの購入に走ることである。なかには「更年期に効く」という謳い文句の商品も多いが、ホルモン系のサプリメントを安易に服用するのは避けた方が無難である。不正出血など予測外の副作用が出て、不安になって問い合わせてくる方が非常に多いからだ。サプリメントは手軽に購入できるのが魅力だが、ホルモン系の薬剤は医師の指導の下で服用しなければ危険である。なにより、「医食同源」といわれるように、日々の食事に注意することこそが、疾病を予防する最善の策であることを忘れないでいただきたい。
有酸素運動も、筋肉の酸素消費量を増加させ、脂肪の分解を促して「善玉コレステロール」を増加させる。運動は基礎代謝を亢進させ、ストレスの発散にもなるので、更年期には適度に運動をする習慣をもつように心がけよう。「千里の道も一歩から」という。生活習慣病の予防には日々の積み重ねが大事なのである。
<編集部より>
平成24年消費者委員会のアンケート調査「消費者の『健康食品』の利用に関する実態調査」によると、50代以上の約3割が健康食品をほぼ毎日利用している。さらに健康食品を現在利用している者の割合は女性の方が高い傾向がある(男性の 54%、女性の 63%) となっている。更年期の症状がサプリメント購入の大きなきっかけになっているようだ。