沖縄では豚を「鳴き声以外は全て食べる」サガルマータ/PIXTA(ピクスタ)
“健康長寿の島”から“メタボ島”と言われる沖縄。沖縄県は働き盛りの死亡率が全国的に高く、急性心筋梗塞や脳血管疾患で死亡する人が多い。生活習慣病のリスクを高める「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」該当者と予備軍を合わせると、男女とも40代以上で全国平均を上回っている。
その沖縄で20年以上診療した経験から、肥満、生活習慣病の原因を解明した医師がいる。「こくらクリニック」(沖縄県那覇市)院長の渡辺信幸医師だ。食事を変えるだけで肥満、メタボが劇的に改善することで、日々、実際の診療で指導し、驚く程の効果をあげている。
「これまで4000人を超える患者さんのダイエットを成功させてきました。成功率は90%以上で、体への無理な負担もリバウンドもありません。生活習慣病の改善に熱心に取り組むようになったのは、離島医療に携わってきた経験によるもの」
赴任先では、島外搬送を余儀なくされる重い病気にならないよう、全島民の健康に目配りする義務があった渡辺医師は、肥満を解消すれば「メタボリックドミノ」が防げることにたどり着いたのだ。
「ダイエットには運動が不可欠」は間違い
いわゆる「メタボ」とは、内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態を指す。このメタボを放置していると、ドミノ倒しのように脳卒中や心筋梗塞などの疾患に見舞われる。これが「メタボリックドミノだ。
その引き金となるのが肥満だが、沖縄では暑さなどから運動する習慣に乏しい。渡辺医師は「肥満の人は、その体重から膝や腰を痛めているケースも多く、運動をしてやせることができない。沖縄は気温が高く、高齢の方などが運動するのはむしろ危険です。脱水症状によって、熱中症や脳梗塞を引き起こすことがあります。そもそも、ダイエット効果の観点からも運動は効果的ではない」と語る。
そこで、渡辺医師は試行錯誤の末、誰もが簡単にできて継続できる2つの方法を指導した。
①ひと口30回噛む。
②「MEC食」(肉:Meat・卵:Egg・チーズ:Cheese)をたっぷり食べて炭水化物を控える。
「肥満の原因は『穀物・果物・野菜』に含まれる炭水化物(糖質)の食べ過ぎによるもの。『肉を食べたら太る』や『ダイエットには運動が不可欠』は間違いです。ダイエット成功の鍵はこの2つを実行するだけ」