米国で「トランス脂肪酸」が全面禁止に! 日本は規制どころか表示義務すらない!!

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あらゆる食品にトランス脂肪酸が shutterstock.com

 今年6月12日、米国食品医薬品局(FDA)は、マーガリンなどの「トランス脂肪酸」が多く含まれる加工植物油の使用を、2018年までに原則禁止すると発表した。これにより3年の猶予期間を経て、アメリカの食品からトランス脂肪酸が消えることになる。

 マーガリンやファットスプレッド(食用油脂の割合が80%未満のマーガリン類)、ショートニング(動物油脂や植物油脂に窒素ガスや炭酸ガスを吹き込み練りあわせた食用油脂)をはじめ、それを使ったパン、ケーキ、スナック菓子、揚げ物、インスタント麺など、さまざまな加工食品に含まれるトランス脂肪酸。牛肉や乳製品にも微量存在するが、私たちが口にする多くは、植物油に水素を加えて固めるときに人工的に生成されたものだ。

 トランス脂肪酸をめぐっては、これまで世界各国で健康への影響が研究されてきた。2010年の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の報告書によると、トランス脂肪酸が悪玉コレステロールを増やし、虚血性心疾患、糖尿病、心臓突然死のリスクを高める可能性が高いと指摘している。

食べ過ぎると記憶力も低下?

 さらについ先日も、トランス脂肪酸は記憶力にも悪影響を及ぼす可能性があることが、米カリフォルニア大学・サンディエゴ校のグループによる新たな研究で示唆された。

 この研究では、45歳以下の健康な男性645人を対象に、完全な食事調査と記憶検査を実施し、単語の書かれた104枚のカードを使い、初めて見る単語か、先に一度見せた単語かを答えてもらった。

 その結果、平均正解数は86語だったが、1日あたりのトランス脂肪酸の摂取量が1g増えるごとに成績が0.76語ずつ低下することが判明。1日約16gのトランス脂肪酸を摂取していた群では、正しく覚えている単語数が平均より12語少なく、28g摂取していた群では21語も少なかった。

 トランス脂肪酸は、脳機能を活性化させるオメガ3脂肪酸の産生を阻害するとも考えられている。また米国栄養・食事療法学会(AND)のJim White氏によると、睡眠を制御するホルモン・セロトニンの値に影響を及ぼす可能性もあるという。これまでの研究で、トランス脂肪酸の摂取量の多い人にうつ病が多いこともわかっている。

規制のない日本は本当に大丈夫なのか?

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