⑥人へのムリ強いは絶対にやめよう!
血中アルコール濃度が最高度に達する時間は、飲酒後30分〜1時間。アルコールを分解する時間は、ビール(グラス1杯)なら1時間、日本酒(1合)なら3時間、ウイスキー(ダブル2杯)なら6時間。酒の致死量は、最少でもビールなら3.4ℓ(大ジョッキ約3杯)、日本酒なら1.1ℓ(約6合)、ウイスキーなら0.4ℓ(ボトル約半分)になる。イッキ飲みすると、どれだけ大量に飲んだのか、本人も周りも気づかない。泥酔すれば、咳反射ができなくなるため、嘔吐物が気道に詰まり、窒息死する時もある。酔いと借金は後から回ってくる! 日本人の半分は酒に弱い! イッキ飲みは、しない、させない、あおらない!
⑦薬と一緒に飲まない!
薬を飲んで酒を飲むとどうなるのか? 肝臓は、酒も薬も同時に分解する。肝臓の負担が重なり、薬の分解能力が低下すると、薬の影響が長時間にわたって体内に残り、生命に関わる事態も起きる。アルコールが分解されずに悪酔いすることも。とくに風邪薬や抗アレルギー薬、せき止め薬に含まれる抗ヒスタミン薬、バルビツール系の睡眠薬、精神安定薬をはじめ、血圧降下剤、糖尿病薬、アスピリンなど解熱鎮痛剤は、決して飲まないように注意しよう!
⑧妊娠中と授乳期は絶対に飲まない!
妊娠中の女性が大量飲酒すれば、特異的な顔貌、知能障害、発育障害、心臓の奇形など、出産する子どもに先天的な胎児性アルコール症候群が現れる。言うまでもないが、妊娠中や授乳期の女性の酒は絶対にタブーだ!
⑨飲酒後の運動や入浴は控えて!
飲酒後は、血中アルコール濃度が高まるので、肝臓、胃腸、すい臓などの消化器官はアルコールの分解・処理を急いでいる。飲酒後に運動したり入浴すれば、血液が全身の筋肉に分散され、内臓に血液が集まりにくくなるため、アルコールの代謝速度が遅れる。また、血液の循環が早まり、酔いが回って平衡感覚が乱れれば、事故や心臓発作に結びつくリスクもある。とくに入浴は、部屋・脱衣所・浴室・熱い湯との温度差があるため、血圧が急激に変動する。熱い湯をいきなり体にかけたり、熱い湯をはった浴槽につかると、血圧は一時的に急上昇する。体が温まると血管が拡張し、血圧が急低下するので、脳卒中を起こす恐れがある。飲酒後の運動や入浴は厳に控えよう!
⑩肝臓、胃腸、すい臓、心臓などの定期検査を!
日頃から健康管理に気を配っている人は多いだろう。とりわけ、この時期は、気温の変化、生活時間の不規則、多忙やストレス過剰などで体のホメオスタシス(恒常性)が乱れやすく、免疫力の衰えも侮れない。かかりつけの病院や診療所で定期検査を受けてから、宴席へ向かってほしい。
上記の10カ条のほか、「番外ルール」も覚えておこう
●未成年者の飲酒は、しない、させない、許さない!
●飲んだら乗るな! 乗るなら飲むな! 飲酒運転は絶対に御法度!
●飲酒後のカラオケはホドホドに! 高いキー、大声は声帯を痛める!
●月経中の女性は、免疫力やアルコール代謝力が低下して酔いやすい!飲酒は控えめに!
最後にオマケとして、飲みながら食べたいメニューも紹介しておこう。
良質なタンパク質やビタミンが豊富、塩分や糖質が控えめ、栄養・消化バランスがいい、となれば……枝豆、納豆、豆腐、焼き鳥、豚肉、レバー、マグロやカツオなどの刺し身、タコ、イカ、ホタテ、アサリ、シジミ、タラコ、出し巻き卵、グリーンサラダ、ポテトサラダ、ワカメの酢の物、もずく、めかぶ、大根おろし、切り干し大根、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、フルーツ、トマトジュース、チーズ、ナッツ、レーズンバターなどがおすすめだ。
酒は百薬の長か? 百毒の長か? 忘年会・新年会だけは、愉しく美味しく賑やかに! 酒を飲む時は、水分補給・適量・気持ちよく愉しみ、休肝日をとる! ゆっくりゆったり酒を愉しもう!
(文=編集部)