亡くなる前まで活躍を報告していた今井洋介さん(ブログより)
台本のない番組として人気を博したフジテレビ系のリアリティバラエティ番組『テラスハウス』(TERRACE HOUSE BOYS×GIRLS NEXT DOOR)に出演した、今井洋介さん(享年31)が急逝した。
亡くなった11月23日未明はクラブDJをこなして、鎌倉市内の自宅へ帰還。ところが、実母に発見された時点で命は絶えていたという……。その独特でナチュラルな人柄から、「ようさん」の愛称で他の出演者からも、アニキ的に慕われていた。いまだ信じがたい番組ファンも多いだろう。
見知らぬ男女が海の見えるお洒落なシェアハウスと車と最高の仲間を与えられ、さてどんな人間模様を織り成してゆくのか!? そんな暮らしぶりが同世代の若者たちに受けて映画化もされた略称「テラハ」(2012年10月~14年9月OA)。
亡くなった今井さんは2013年7月から翌年3月まで出演し、その後も写真家・アーティストとして順調に活躍の幅を広げていた矢先のことだった。
日本家屋内の温度差が引き金となることも
今井さんの死因は「心筋梗塞」。事前の痛みや変調が現われずに、突然発症する。2011年、サッカー元日本代表の松田直樹選手(享年34)が練習中にグラウンドで突然倒れて亡くなったニュースを思い出した人もいるだろう。
心筋梗塞による心肺停止の発症率が高いのは10~4月だ。急激な温度変化で血管が大きく変動(収縮・拡張)するため健康被害が多発する時期であり、この「ヒートショック」*による年間死者数は17000人(2012年度、国立循環器病研究センター調べ)。これは同年の交通事故死者数4611人のおよそ4倍だ。
*「死亡者数は交通事故の4倍! 冬に激増する『ヒートショック』の突然死を防ぐ」
日本家屋によくみられる脱衣所や浴室と居間の温度差が、心筋梗塞や脳卒中の引き金となりやすいともいわれ、失神して溺死するケースも侮れない。
また、この季節は、明け方の冷え込みと睡眠中の脱水や血圧変動などが重なって血管内のコブ(粥種)が破れて血栓ができやすい。それが3~6時間経過した頃合いで血管を塞ぎ発作を起こすとも考えられ、午前9時~正午前後に心筋梗塞が発症しやすいという。今井さんの死亡推定時刻は午後1時頃というから、この傾向をほぼ裏付ける。