"1日3杯"で死亡率を24%減少! 9万人の大規模調査で明らかに

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1日3杯が習慣の人には朗報? Flatpit/PIXTA(ピクスタ)

 豊かな香りで心を癒やし、集中力も与えてくれる一杯のコーヒー。毎日のデスクワークに欠かせない人も多いだろう。だが、興奮剤の一種で依存性もあるカフェインが含まれていることから、ヘルシーという印象はないかもしれない。

 ところが今年3月、アメリカの医学誌『American Journal of Clinical Nutrition』(オンライン版)に、「コーヒーは長寿に効果がある」という研究結果が発表された。日本の国立がん研究センターと厚生労働省の「多目的コホート研究」によるものだ。

 多目的コホート研究とは、全国に住む約10万人から生活習慣などの情報を集め、10年以上の長期にわたり疾病の発症を追跡する研究だ。どんな生活習慣が病気に関連しているのかが明らかになる。費用と調査期間はかかるが、何を食べ、どんな生活をしたら健康でいられるかを知る手がかりになる。

9万人のコーヒー習慣と死亡率を追跡

 この研究では、40~69歳の日本人男女 9万914人を、平均18.7 年間にわたって追跡。コーヒーを飲む習慣と、総死亡率や特定の死因による死亡率との関係を分析した。対象者はいずれも追跡開始の時点ではがん、脳卒中、虚血性心臓疾患の病歴はなかったという。

 この追跡期間中に死亡した人は1万2874人。その死亡率に影響する、さまざまな要因を考慮したうえでデータを分析したところ、男女ともコーヒーの飲用が総死亡リスクを下げていることが分かった。

 コーヒーをまったく飲まないグループを基準とすると、1 日当たりカップ 1 杯未満を飲む人は9%、1~2 杯飲む人は15%、3~4杯飲む人は24%、5 杯以上飲む人は15%のリスク低下が見られた。つまり、「1日あたり3~4杯」のグループが最も総死亡率が低い。

 さらに、心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患という3つの主な死因についても、コーヒーの摂取量が多いほど、死亡リスクが低下することが明らかになった。

55歳未満では早死にするという説も?

 3年ほど前も、米・国立衛生研究所が同様の発表をしている。その調査では、1日3杯以上コーヒーを飲む人は、そうでない人と比べて10%死亡率が低いことが判明。女性の場合は、1日6杯以上飲むと死亡率がさらに5%下がるという。

 また、コーヒー好きには愛煙家やお酒好きも多いが、心臓病や呼吸器系の病気、脳卒中で死亡する確率は低い。これは、コーヒーに豊富な抗酸化物質や生物活性物質が含まれているおかげだと分析している。

 しかし、一方で逆の結果が導き出された例もある。2013年に発表された、米・ニューオーリンズの心臓専門医らによる研究だ。20~87歳の男女約4万人を16年間にわたって追跡調査したところ、55歳未満でコーヒーを1週間に28杯(1日平均4杯)以上飲む人は、飲まない人と比べて死亡率が男性で56%高く、女性では2倍にも上ることが分かったという。

 この研究での「カップ1杯」は約240㎜l。その量で4杯以上は、やや多すぎるかもしれない。1日に飲む量が適量の場合や、55歳以上の年齢層では有意な差はみられなかった。

 研究チームは「コーヒーは抗効酸化作用があり、炎症や認知機能にも良い効果がある。だが、高血圧や動脈硬化の要因と示唆されているホモシステインのレベルを上げたりするので留意するべき」とし、「特に若い人は飲みすぎに気をつけたほうがいい」と警告している。

 ただ、どのようなメカニズムがコーヒーと寿命に関係するのかは判明しておらず、さらなる研究が必要だという。どんなに身体にいい物でも、過ぎては毒にもなる。今のところは「1日3杯まで」を適量に、リラックスして楽しむのが一番かもしれない。
(文=編集部)

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