そんな時、結婚時には微笑ましく思えた夫の欠点が許せなくなっている自分に気づくかもしれない。こんな人だとは思わなかったと後悔している自分に気づくもしれない。長い結婚生活を経るうちに、お互いの性格や嗜好が少しずつ変わっていき、いつの間にかすきま風が吹いて、理解できない溝が深くなってしまったことに愕然とするかもしれない。
夫婦関係を見つめ直す良いチャンス、離婚の選択も
しかし、夫と話をして解決できる問題ならば、率直に自分の気持ちを伝えて、溝を少しずつ埋めていく努力をしなければ、いつまで経ってもお互いの距離は縮まらない。夫の世話が必要なことで、「束縛されている」と負担に感じているのなら、遠慮せずに夫の自立を促そう。老後、妻に先立たれたら、何もできないのでは本人のためにもならない。「濡れ落ち葉」にならないためにも、「これからは家事を分担してね」と切り出してみよう。
これまで会社人間だった男性は、心のなかでは「毎日が日曜日」をどう過ごしたらいいのか当惑しているのである。会社で自分の役割を振られることには慣れているので、「あなたのサポートが必要なの」と上手に頼めば、使命感を感じて腰をあげてくれるはずだ。手始めに買い物に行ってもらうとか、料理を手伝ってもらうところから始めてみてはいかがだろう。家事の役割分担を決めてしまうのもいいだろう。
共通の趣味があれば会話も復活する。一緒に旅行に行ったり、映画を観に行ったりして共通の話題を増やしていき、空気のような存在から手ごたえのある存在へと、着実に歩を進めてみてはいかがだろう。
夫と一緒に何かをするなんてとんでもないと、もはや存在そのものに愛想が尽きているのだとしたら、離婚も前向きな選択肢となるだろう。
更年期は夫婦関係を見つめ直す良いチャンスなのである。