うつ病の補助療法として「ハーブヨガ」に注目 wavebreakmedia/PIXTA(ピクスタ)
ストレスフルな環境のなか、うつ病患者は年々増加傾向にある。
厚生労働省のうつ病など「気分障害患者」調査によると、1996年は患者数43.3万人だったものが2002年には71.1万人、2005年には92.4万人と増加、2008年には104.1万人と、ついに百万人を突破した。医療機関を受診していない“隠れうつ病”も加えると、患者数の実態は倍増しているだろう。
うつ病の主な原因のひとつには環境によるストレスが挙げられるが、原因不明のまま発症するケースは少なくない。現在の治療は、抗精神病薬の服用が主流だ。完治までに長期間、薬に頼る生活を余儀なくされる。
かつて、うつ病は「心の風邪」と称されたが、現在は「慢性疾患」のくくりだ。そうしたなかで、薬に頼らない補助的治療が注目を集めている。なかでも「ヨガ」の研究が進んでいる。
海外の大学で研究が進む補助療法「ヨガ」の効果
ドイツのデューズブルク・エッセン大学の研究グループが2013年1月に、うつ病患者の補助療法としてヨガを行った619例のデータを統合・解析して12本の論文をまとめた。
その結果、ヨガを行ったうつ病患者群の方が行わなかった群よりも重症度の改善がみられ、ヨガはうつ症状の強い人の補助的治療の選択肢の一つである可能性を示した。
ハーバード大学でもヨガや瞑想がメンタルヘルスに及ぼす影響について、強いストレスを受けている210人を3群に分け、その有効性を調査中だ。遺伝子解析などの最新技術を駆使し、ヨガや瞑想による生理学的変化を科学的に測定しようという試みが進んでいる。