GI値が高い食品にリスクが......kash*/PIXTA(ピクスタ)
お腹がグウグウと鳴るほど空腹のとき、あなたは何が食べたくなるだろうか? そんなときに、炊きたての白いご飯や喉ごしの良いうどん、香ばしいパン、スイーツを思い切り頬張る幸福感はたまらないものがある。
このような「幸福感」を増幅する食べ物は、小麦や白米、砂糖など「高度に精製された炭水化物」が多く使われている。いわゆるグリセミック指数(GI)が高い食品だ。
グリセミック指数とは、ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100として、食品の血糖上昇率を%で表した指標。GI値が高い食品ほど食後の血糖値を上げやすい。
GI値が高い食品を摂取すると、急激に上昇した血糖値を下げるため、インスリンが多量に分泌される。インスリンには脂肪の合成を高め、分解を抑制する作用もあるので、GI値が高い食品を摂ると脂肪が蓄積されやすくなる。
ご飯やパン、ケーキなどが大好きな人にとっては耳の痛い話だ。ところが、実は高GI食の食べ過ぎはウエストラインを大きくするだけでなく、女性の場合は閉経後にうつ病を発症する危険性を上昇させることがわかった。
血糖値の急激な変化が"不安感"を増幅
米・コロンビア大学(ニューヨーク)助教授のJames Gangwisch氏らが行った、女性約7万人を対象とした今回の研究は、閉経後の女性に起こりやすい健康問題の予防・治療に役立てるため、米国国立衛生研究所(NIH)が実施した「女性の健康イニシアティブ研究」(WHI)のデータを基にしている。
研究チームは、1994~1998年にWHIに参加した女性6万9954人(50~79歳)に食事に関するアンケートを実施。そのうえで、食事のGI値により、参加者を5つのグループに分けて比較した。試験登録前の3年間に薬物などの乱用やうつ病、他の精神疾患に罹っていた女性はいなかった。
参加した女性の食事のGI値や、摂取している炭水化物のタイプと、うつ病の発症との関連を分析。その結果、食事のGI値が最小だったグループと比べて、最大グループはうつ病の発症リスクが22%も増加することが明らかになった。また、食事に添加されている糖分の摂取量が最大のグループでは、うつ病の発症リスクが23%アップすることもわかった。