ADの発症リスクと強い相関(エビデンスグレードI及びIIA)のある13の危険因子のうち、世界的な保有率に関するデータがあったのは、頸動脈脈狭窄・肥満・2型糖尿病(アジア人のみ)・うつ病・低学歴・高血圧・ホモシステイン高値・脆弱性・現在の喫煙(アジア人のみ)という9因子だった。
これらに関して、メタ解析により人口寄与危険度(PAR=曝露群と非曝露群における疾病頻度の差)を算出。9因子の総合的なPARは、世界の全AD症例の3分の2に寄与していることがわかった。
Yu氏らは、同研究は観察研究のため因果関係を証明するには不十分であるとしながらも、「食事や薬物治療、生化学反応、精神状態、既存疾患、ライフスタイルに焦点を当てた予防策を実施することで、今後のADの新規発症患者数を抑制できるかもしれない」と述べている。
多くの人が、単に長生きすることよりも、健康寿命を延ばすことを望んでいる。AD発症のリスク低減の可能性を示したこの研究結果を参考に、生活習慣を見直し、該当する疾患の予防を心がけることが、"健康で長生き"の近道となるだろう。
(文=編集部)