逆に全粒穀物や野菜、果物、食物繊維を多く摂取していた女性は、うつ病のリスクが減少していた。全粒穀物や野菜はGI値が低く、食後の血糖値を上げにくい食品群だ。
Gangwisch氏は「高GI食品の摂取で血糖値が急激に乱高下した結果、不安感や気分の変化、疲労感を引き起こしたり、そうした症状を悪化させた可能性がある」と、その理由を分析する。
さらに「今回GI値の高い食事はうつ病のリスク要因であることが示された。精製されていない『ホールフーズ』などの食品を摂ることで、うつ病の予防・治療効果を得られる可能性がある」と述べている。
全粒穀物でアンチエイジングを
GI値は、食品の食物繊維の含有比率や調理方法、咀嚼回数などでも変わる。パンでは、精白された小麦よりも全粒粉を原料にした製品の方が、GI値が低く吸収が遅い。ご飯なら玄米、他にはトウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、ソバなど、加工度の低い全粒穀物だ。これらは食物繊維が豊富で、ビタミンやミネラルなども精製されたものに比べ多く含まれ、栄養価が高い。
近年、GI値の高い食事が引き起こす血糖値のギャップは、肥満や糖尿病だけでなく今回判明したうつ病や糖質依存症、さらには老化のスピードも上げるリスクがあることがわかってきた。
つまり、普段からできるだけ精製度の低い食品やホールフーズを選び、"食の質"を上げることが、アンチエイジングにつながる。
(文=編集部)