「食べる時刻を変える」だけで痩せられる!? ダイエットは「いつ食べるか」がポイント

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朝食をしっかりとることがダイエットのコツ shutterstock.com

 ダイエットと言えば「食べる量を減らせばいい」と思う人が少なくない。断食して体重が減ったと喜ぶのもつかのま、筋肉が落ちて消費カロリーは減り、太りやすい体になって、リバウンドを繰り返すはめに......。ダイエットは「食事と運動」と言われても「運動する暇がない」。だが実は運動しなくても、食事時間を変更するだけで、消費カロリーを増やすことができ、太りにくくなるのだ。

 「朝食抜きは太る」とか「夜遅く食べると太る」と聞いたことがあるだろう。だが、その仕組みを知っているだろうか? なぜ朝食を食べれば痩せられるのか、夕飯や夜食を何時までに食べれば太らないのか、時間栄養学がわかれば、きっとダイエットは成功する。

朝食抜きダイエットと夜遅い食事で太るわけ

 

 朝食抜きダイエット派の理論は、単純に「朝食を抜けば、朝食分の摂取カロリーを減らせるから痩せられる」。現代生活において夕食を抜いたり、軽くしたりするのは難しい。朝食は抜きやすい。だったら朝食を抜けばいい......という考えだ。

 これに対して、これまでの「朝食を抜くと太る」派の理論は、「朝食を抜くと、おなかがすいて、その分、昼食や夕食をたくさん食べてしまい、結局、摂取カロリーは増える」だった。これに関して、朝食抜きダイエット派が反論材料としているのが、ドイツの大学の研究。朝食を多くとる人と少なめの朝食をとる人を比べ、朝食を多くとる人がその分、昼食や夕食を軽くすることはなく、朝食で多かったカロリーがそのまま1日のカロリー摂取量の多さにつながっていた。つまり朝食を多くとるより、少なくしたほうが、摂取カロリーが少ないという結果だ。しかし、この研究は朝食のカロリーの多少の比較であり、朝食をとるかとらないかの比較ではない。

 国立学校の学生を対象に、朝食を取る頻度と体重変化、肥満指数(BMI)を5年間追跡調査した結果が、2008年にアメリカの小児科学会で発表されている。BMIは18.5~25が適正だが、毎日朝食をとる人の平均BMIは21.7、ときどき朝食を人は22.5、まったく朝食をとらない人は23.4と肥満に近くなっている。朝食をとるほど、肥満指数は低いのだ。では、なぜ、朝食を抜くと太るのだろうか?

 食事をするという行為はカロリー摂取だけに関係していると思いがちだが、実は消費カロリーにも関係している。体内で栄養素が分解されると燃焼して、体温が上がる食事誘発性熱産生(DIT)が起こり、カロリーが消費される。もちろん、摂取したカロリーよりもDITで消費するカロリーのほうが少ないが、一度体温が上がることで、その後の活動によるカロリー消費も上がる。また同じカロリーを2回で食べるよりも、3回に分けて食べたほうが消費カロリーは増える。

 しかし、「朝食を抜くと太る」、そして「夜遅く食べると太る」一番の原因は、食事は昼間、睡眠は夜という前提の体内時計との関係にある。同じカロリーを摂取しても、時間によって脂肪として蓄えられるか、エネルギーとして消費されるかが異なるのだ。体に対して脂肪を体内に蓄えるように指令を出すホルモン「BMAL1」の分泌量は時間帯によって異なる。午後3時に少なく、午後10時から午前2時に最も多くなる。つまり3時のおやつに食べるものはエネルギーとして消費されやすいが、午後10時から午前2時の間に食べたものは脂肪として体に蓄えられてしまう。

 さらにBMAL1は体内時計が狂うと、常に多く分泌されてしまうようになるため、いつ食べても脂肪として蓄えられやすくなる。実は体内時計を正しく動かすには朝食が重要なのだ。メインの体内時計は脳にあり、1日24.5時間で動いているが、胃や腸、肝臓、腎臓、血管、皮膚などにもサブの体内時計があり、肝臓は1日23時間など、サブ体内時計ごとに時の刻み方が異なる。

 1日24時間という地球の時計と、メイン、サブそれぞれの体内時計が刻む時間とのずれは、毎日、光を浴びることと、朝食をとることで、調整されている。朝、充分な光を浴びなかったり、夜遅くまで強い光を見たり、朝食を抜いたりすると、体内時計が乱れてしまう。体内時計が狂うと、BMAL1の分泌量が常に夜並みに増えるばかりでなく、食事誘発性熱産生(DIT)が一日中下がってしまう。

 夜遅く食べると太る原因はまだある。食事すると血糖値が上がるが、インスリンが分泌して血糖値を下げると同時に満腹中枢に充分な食事をしたことを知らせる仕組みになっている。しかし本来は食事時間でない夜に食事をした場合、インスリンが充分には分泌しない。インスリンの分泌が少ないと、食べても満腹感を感じづらくなる。つまり夜遅い食事は満腹感が得づらく、ついつい食べ過ぎてしまう。

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