心がポキッと折れないように......jihwolf/PIXTA(ピクスタ)
新年度から一月を迎えるこの時期、新社会人だけでなく、異動・転勤・転職した人も、新たな環境に足を踏み入れた緊張感で心身ともに張りつめていることだろう。
この緊張を和らげ、ホッと一息つけるのがGW。ここでリフレッシュできる人もいれば、連休が明けても大きなストレスを抱えたまま立ち上がれない人もいる。
気分がふさがりがちで何をする気も起こらない。不安や焦燥感、眠れなかったり、仕事に行きたくなかったり......。連休明け頃から多くなるこういった症状は「五月病」と呼ばれている。
間違わないで! 五月病とうつ病は違う
五月病とは医学的にはどんな病気なのか。北山クリニック(東京都西東京市)の精神科医・北山徳行院長は、五月病とうつ病の違いについて、次のようにアドバイスする。
五月病は新年度の進学や就職を契機に憂うつ感、意欲低下、倦怠感、睡眠障害(不眠や過眠)をきたす状態とされる。しかし、正式な医学用語ではなく、精神医学的には適応障害と診断されるケースが多い」
「時間が経てば症状も改善されるものだが、症状が重い適応障害はうつ病との識別が難しいこともある。症状が重く、長引く場合は専門医の受診を勧める」
知っておきたい専門科の診療内容
多くの病気でいえることだが、早期に適切な治療を受けることが回復への早道だ。では、受診するタイミングはいつだろうか?
「日常生活に支障をきたすようになったら、すぐに受診するべき。体調不良を自覚したら、まず体のどの部分が不調なのかで最初に受診する科を決めます」と北山院長。
街のクリニックの看板には精神科、心療内科、神経科などが掲げられているが、実際に受診する際の区別が分かりにくい。以下を参考にしてほしい。(出典・日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所)
①精神科
心の病気全般を取り扱う。うつ病、統合失調症、神経症(ノイローゼなど)、対人恐怖やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、さらにアルツハイマーやアルコール・薬物依存症(中毒)も診察する。
②心療内科
内科の一分野。身体の病気について心身両面からアプローチし、主に心身症を扱う。心身症は体の病気単一のものではなく、発症の原因や過程に心理因子が関与している。胃や十二指腸の潰瘍、過敏性腸症候群、高血圧や狭心症、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、片頭痛など。
なんの病気かわからない時でも身体症状が強く出ていて、ストレスが関与していると思われる時は心療内科を訪ねるとよい。
③神経科
ほぼ精神科と同じ。
④神経内科
脳や神経の病気。頭痛やめまい、神経炎や神経痛など内科の観点から治療する。パーキンソン病(脳の神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少して起こると考えられている)も診る。
ネットなどで調べて自分ではうつ病だと思っていたのに、実際には統合失調症の初期症状だったという例もある。素人判断は禁物だ。
(文=編集部)