連載第7回 サプリメントの天国と地獄

サプリメントに入っている多くの添加物が、健康障害を引き起こしかねないという皮肉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
new_tennkabutu.jpg

サプリメントに含まれる添加物にも注意を shutterstock.com

 サプリメントは、ビタミンやミネラル、アミノ酸など不足しがちな栄養素を補給するためにあるのですが、実はそれ以外にも様々な添加物が使われていることが多いのです。それは、必要な栄養成分だけをカプセルや錠剤、液体にすることは困難だからです。さらに、味を調えたり、保存期間を長くしたりしようという目的が加わると、使われる添加物は増えていくことになります。

添加物が9割を超えるようなものも

 ではどんな添加物が使われているのでしょうか。

 サプリメントを作る上で最低限必要なのは、①粉がさらさらになるようにして、機械の中で詰まらないようにし、原料を均一に混ざるようにするもの(錠剤やハードカプセルを作る際)、②粉を固める材料(錠剤用)、③セルロース、グリセリン、ゼラチン、プルラン、HPMCなどのカプセルの素材です。

 これらは、機械で製造しやすく、錠剤やカプセルにするために不可欠の材料です。これに食べやすい味にするための甘味料や着色料、香料、長持ちさせるための保存料、増量剤などが加わってきます。サプリメントによって目的とする成分や材料が微量の場合、添加物が9割を超えるようなものもあります。そこまで来ると、サプリメントを飲むというより添加物を飲んでいると言う方が的を射ているような状態になってしまいます。

 錠剤にするため、粉を固める「賦形剤」としてよく使われる「乳糖」は、乳糖不耐症の方や牛乳にアレルギーのある方にとって注意が必要な成分です。

 添加物をいくつも使うことで新たなリスクも出てきます。例えば清涼飲料水に使われるビタミンCと保存料の安息香酸の二つが反応すると、体にとって有害なベンゼンが発生する可能性が指摘されています。

気になる合成甘味料や糖類

 特に液体、ドリンクタイプのサプリメントの添加物で気になるのは合成甘味料です。美味しく飲みやすくし、賞味期限を長くするために合成甘味料や香料、保存料が多用されているのですが、合成甘味料にもいろいろあります。アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどはお勧めできない顔ぶれです。いろいろな情報を勘案すると、必ずしも「体にとって害なし」とはいいがたいからです。

 また、ゼリーやドリンクには、味をよくするため、「糖類」が多量に含まれていることが少なくありません。そうすると、糖類が原因となって「糖化ストレス」を引き起こす問題が出てきます。血中の糖は、タンパク質と結合して最終糖化産物という物質になるのですが、糖の摂り過ぎによってこの物質が増え、血管や細胞を傷つけるなど体の中で様々なトラブルを起こすのです。肥満や糖尿病、動脈硬化、神経障害といった病気や健康障害の引き金になります。皮膚や骨のコラーゲンも糖化ストレスでもろくなってしまう変化を引き起こします。

 一部の添加物はサプリメントを作るうえで欠かせない物質ですが、無くてもよいものは極力なくし、できるだけ体に害を与えない安全性に優れたものを選ぶべきでしょう。しかし、現実にはそうでない製品が少なくないことも事実です。サプリメントの目的成分だけでなく、どんな添加物が使われているのかにも気を使い、自分の身を自分で守る目を養うことが大切です。


profile5061-2.jpg

田村 忠司

田村忠司(たむら・ただし)
株式会社ヘルシーパス代表取締役、日本抗加齢医学会会員、NRサプリメント・アドバイザー(一般社団法人 日本臨床栄養協会)。1988年、東京大学工学部産業機械工学科卒業。同年、株式会社リクルートに入社。10年間にわたり、通信事業を中心に経営戦略、新規事業立案、マーケティング戦略立案に従事。1998年、「日本老化制御研究所」を擁する、日研フード株式会社に入社。取締役経営企画室長、サプリメントの製造子会社の代表取締役社長として活動。2006年、「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供して欲しい」との、医師、薬剤師からの要請に応えて、医療機関専用サプリメントの専門メーカー、株式会社ヘルシーパスを設立。栄養療法に取り組む医師・歯科医師へのサポート・情報提供のため、日々、全国各地を飛び回り、楽しく仕事に取り組んでいる。著書に『サプリメントの正体』(東洋経済新報社)がある。
連載「サプリメントの天国と地獄」バックナンバー

アジア圏での“独特の美”を追求~世界トップクラスの症例数を誇る日本の美容医療
インタビュー「ここから変わる! 美容外科の世界~グローバル化する日本の美容医療」第1回 聖心美容クリニック 鎌倉達郎 統括院長

日本の美容医療は、果たして世界のトップレベルにあるのか――。「第104回日本美容外科学会(JSAS)」の会長を務めた、鎌倉達郎医師に、日本の美容医療の現状と世界の趨勢について聞いた。