公共トイレのハンドドライヤーは周囲に細菌をばらまく?正しい使い方とは

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ハンドドライヤーが細菌を撒きちらしている?

 近年、オフィスや商業ビルなどの公共トイレにかなり普及してきたハンドドライヤー。濡れた手でハンカチを探すよりずっと楽だし、ポケットの中の湿ったハンカチで拭くのに比べて衛生的だという理由で、歓迎している人も多いだろう。

 しかし最近、フランス・リヨンで開かれたヘルスケア感染学会(HIS)国際会議で、トイレのハンドドライヤーがペーパータオルよりはるかに多くの細菌を周りに拡散する可能性があるという、驚くべき研究結果が発表された。

ペーパータオルの27倍の菌が飛散

 研究を行ったのは英・リーズ大学。ボランティアの手に無害な細菌を付着させ、手洗いが不十分な状態を再現した。そのうえで温風タイプのハンドドライヤー、強風で水滴を吹き飛ばすジェットドライヤー、ペーパータオルを使って手を乾かしてもらった。

 空中に浮遊する細菌を測定すると、2種類のドライヤーのほうが、ペーパータオルよりも周囲にちらばる細菌量がかなり多いことが判明。範囲はハンドドライヤーから1〜2mほどに及ぶ。最も悪い結果だったのはジェットドライヤーで、浮遊菌量は温風ドライヤーの4.5倍、ペーパータオルの27倍にも上ったという。
 
 さらにハンドドライヤーを使った後は、時間が経っても細菌が空中に浮遊していることもわかった。具体的には使用後5分以上経過しても周囲には細菌の48%が残り、さらに15分後でも細菌が検出されたという。
 
 研究チームは、「トイレの後にハンドドライヤーで手を乾かすと、知らないうちに細菌を拡散し、また他人の手の細菌をあびている可能性もある」と発言。「衛生面からすると、特に医療現場などにはハンドドライヤーは適していないようだ」としている。

ほとんどの人が完全に乾かせていない

 「ハンドドライヤーは乾燥が不十分になりがち」との指摘もある。豪・クイーンズランド工科大学の調査によると、ペーパータオルは使用して10秒で96%、15秒後には99%まで手を乾かすことができる。

 それに対してハンドドライヤーは完全に乾くまで45秒かかった。しかし、実態調査では、ハンドドライヤーの使用時間は1度の手洗いにつき13~17秒であることが判明。つまり、手を完全に乾かさずに済ませてしまう人がほとんどなのだ。

 細菌は湿った場所で繁殖しやすいため、手を清潔に保つためにはただ洗うだけではなく、きちんと乾かすことが重要だ。さらにペーパータオルで拭く行為は、手洗いで落としきれなかった細菌を物理的に取り除くことにも役立つ。その意味で「衛生面においてはハンドドライヤーよりもペーパータオルの方が優れている」と、この調査は結論づけている。

 もちろん、ものごとには一長一短がある。使い捨てでゴミがたくさん出るペーパータオルに比べると、ハンドドライヤーはエコだという側面もあるだろう。
一人ひとりが念入りに手洗いをすれば、ハンドドライヤーを使っても菌をまき散らすこともないはずだ。

 しかし、ハンドドライヤーがある安心感からか、むしろ手洗いの意識が緩くなっている感も否めない。この冬もインフルエンザなどのウィルス感染症が流行中だ。特にこの時期は手洗いを含めた衛生意識を、今一度見直すべきかもしれない。
(文=編集部)

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