連載第3回 目に見えない食品添加物のすべて

増え続ける日本の食品添加物、その理由は国際社会からの圧力だった!

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化学的合成添加物(指定添加物)は、この13年間で100種類以上も増えている shutterstock.com

 毎日、大量の添加物が食品加工に使われ、商品となってスーパーやコンビニに並び、それをためらいもなく口にしている私たち。日本における食、特に添加物に対する現状は深刻化している。

 それを端的に表しているのが、使用が許可されている添加物の「数」の変化だ。

添加物の数は、こんなにも増えている!

 添加物は厚労省が認可(指定)したものだけが使用を許されている。化学的合成品は「指定添加物」、天然系は「既存添加物」と呼ばれ、そのほか「天然香料」、食品を添加物として使う「一般飲食物添加物」の4つのグループに分けられている。

 このうち化学的合成添加物(指定添加物)は、2001年には338品目だったが、2005年には357品目、2013年に436品目、2014年12月時点では445品目と、まさにうなぎ上り。この13年間で100種類以上も増えているのだ。

 化学的合成添加物が(指定添加物)が440品目余りというと、それだけでずいぶん多いと感じられるかもしれないが、その実数は「4500種類以上」といわれるとさらに驚くだろう。

 というのも、厚労省の認可している化学的合成品445品目というのは、「項目」としてまとめられたものにすぎないからだ。たとえば、「エーテル類」という項目があるが、その具体的品目を見てみると、その中に250種類ほどある。同じく「ケトン類」の具体的品目も詳しく見てみると、やはり250種類ほどある。

 これをたとえていうなら、デザインや色の異なるスカートを何着も1つの箱に詰め、「スカート類」と箱に書いているようなもの。こういったものすべてを数え合わせていくと、ざっと「4500種類以上」という数字になるのである。

なぜ添加物は増えていく?

 では、なぜ添加物は増える一方なのか? それはズバリ、海外からの要請のためだ。特にここ数年で増えている添加物は、そのほとんどが米国、ヨーロッパからの要請によるものである。米国やヨーロッパの食品には日本では許可されていない添加物が数多くある。そこで、日本に食品を輸出するために、食品添加物の規制を緩めてほしい、ということになる。

 その歴史を振り返ると、「ポストハーベスト」も米国の要請によって許可されたという経緯がある(1977年)。ポストハーベストとは、収穫後にカビ防止などの目的で農薬を使用すること。それを添加物の使用として認めたのである。当初はレモンやグレープフルーツなどの柑橘系のみの許可だったが、その後、2011年に柑橘系以外の10品目に使用できるフルジオキソニルが認められ、2013年には新たなポストハーベストとしてアゾキシストロビン、ピリメタニルなどが許可されている。また抗生物質も日本では食品衛生法で禁止されていたが、EUの要請によりナタマイシンやナイシンなどが認められるようになった。

 上記のような経緯は、各国の添加物の許可の違いが貿易の障害にならないよう、添加物を広く認めて国際的に共通化しようという動きによるものだ。このような動きの中でリストアップされてきた添加物は、「国際汎用添加物」と呼ばれている。一般的に添加物は認可されるまでに数年かかるが、国際汎用添加物の場合は国内での試験は行わず海外のデータが使用されるため、認可が下りるのもスピーディなのだ。

 現在、日本では国際汎用添加物として45品目がリストアップされており、これまでに34品目が認可、残り11品目も近く指定の見込みである。ほかにも現在、審議中のものがたくさんあることを考えると、化学的合成添加物はまだまだ増え、現在の445品目を上回り、500品目をすぐに上回るのではないかと考えられる。

 ましてや、いま話題になっているTPPに日本が参加したら今後どうなるのか......。TPPの目的の一つは貿易をスムーズにすることなのだから、参加国で認められている添加物を日本でも認めざる得なくなる可能性がある。食品添加物についての日本の将来を考えると悩ましいところだ。


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安部司

安部司(あべつかさ)
1951年福岡県生まれ。総合商社食品課に勤務後、無添加食品の開発・推進、伝統食品や有機農産物の販売促進などに携わり、現在に至る。熊本県有機農業研究会JAS判定員。経済産業省水質第1種公害防止管理者。工業所有権 食品製造特許4件取得。食品添加物の現状、食生活の危機を訴え続けている。主な著書にベストセラーとなった『食品の裏側』(東洋経済新報社)、『なにを食べたらいいの?』(新潮社)、『「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド』(祥伝社)などがある。

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