連載第2回 目に見えない食品添加物のすべて

食品添加物が大量に使われる理由には、こんな裏事情があった

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 どうしてそんなに添加物を使わなければ加工食品がつくれないのか?。添加物を使われる理由を大別すると、「安い」「簡単」「便利」「きれい」「オイシイ」となる。添加物を使えばこれらの要素をすべて満たした食品ができあがる。その具体例をみていこう。

●その1 安い食品を製造するために添加物は大活躍

 添加物が活躍するのはまずは何と言っても安い食品が作れるため。安くあげるためには添加物を使って増量、置き換えなどといった裏ワザが使われる。
 
 置き換えとは、安いフェイク食品を使う方法。その代表選手がコーヒーフレッシュだ。コーヒーフレッシュには牛乳も生クリームも1滴も入っていない。植物油を乳化剤で白く乳化させ、増粘多糖類でとろみをつける。クリームの色はカラメル色素、香りは合成香料で出し、無菌充てんの後、常温保管のためにpH調整剤を加える。これであのなめらかなコーヒーフレッシュのできあがり。添加物でつくりあげるから激安だ。
 
 コンビニやファストフードのサンドイッチやサラダで使用されるマヨネーズもフェイク食品の一つ。JAS(日本農林規格)の規定では、マヨネーズには植物油、卵黄または全卵、醸造酢またはかんきつ類の果汁の3つを必ず使うこととされ、油の割合も65%以上と定められている。しかし、コンビニのサンドイッチやサラダの原材料名を見てもマヨネーズという言葉はなく、あるのは「半固体状ドレッシング」という表示。これは卵を使用しなくてもよく、油の割合は10%でもよいとされている。さらにマヨネーズでは使用できない乳化剤や酸味料、香料、色素などの添加物を使用することができる。つまり、半固体状ドレッシングはいろいろな添加物によって限りなくマヨネーズに近づけた「マヨネーズもどき」なのである。
 
 「マヨネーズもどき」の中には、「サラダクリーミードレッシング」という種類もある。こちらはJASの規定では油分は10~50%未満でよく、水分を85%まで増量してよいことになっている。こちらも加工デンプンやキサンタンガムなどの添加物を使ってマヨネーズに限りなく似せてつくられている。しかも、油分が少なく、水分が多いため、「カロリーハーフ」といったキャッチコピーがウリとなる。水をうまく食品に混ぜこめば、断然安く仕上げることができる。文字通り「水増し」だ。

●その2 簡単、便利。小さじ1杯でおふくろの味?

 和風料理の決め手はだしの味だ。きちんとだしをとるためには、昆布やかつおぶしを煮て、それを濾して・・・と手間ひまがかかる。しかし、だしの素を使えば、小さじ1杯。昆布やかつおぶしなどのだしカスも出ない。ではだしの素はかつおや昆布の煮出し汁を濃縮しているのだろうか。もちろん、そんなことはない。だしの素はインスタント食品の黄金トリオと呼ぶべき存在である「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」から成り立っている。たんぱく加水分解物とは肉や大豆などのたんぱく質を分解してつくられるアミノ酸のこと。味が濃厚で強いのと、製造過程で発がん性のある塩素化合物ができてしまう恐れがあるという問題がある。
 
 さらにかつおエキスや昆布エキス、かつおパウダーなどの添加物で風味をつける。「かつお風味のだしの素」、あるいはかつおエキスと昆布エキスを両方配合して「和風だしの素」。チキンエキスと野菜エキス、しょうゆや香辛料を加えるとチキンコンソメやチキンブイヨン、ガラスープになる。

●その3 濃厚な味づくり

 黄金トリオで作られているだしの素はしっかり濃い味がついている。この濃い味を出すために、添加物は欠かせない。しかし、当然のことながらこれは自然の食材から出るうまみではない。添加物を使って作られた不自然なうまみであり、インスタントラーメンやスナック菓子などにも用いられている。この添加物とエキスで作られるインスタントだしがオイシイと思えるのは少々さみしい話だが。
 
 そのほか、たとえば揚げ物の衣にきれいな揚げ色を出す、白ごはんのつやや白さを出す等、見た目のキレイさを整えるためや食品の日持ちをさせるためなど食品添加物はいろいろな目的で使用できる実に便利な代物なのだ。


 

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安部 司

安部司(あべつかさ)
1951年福岡県生まれ。総合商社食品課に勤務後、無添加食品の開発・推進、伝統食品や有機農産物の販売促進などに携わり、現在に至る。熊本県有機農業研究会JAS判定員。経済産業省水質第1種公害防止管理者。工業所有権 食品製造特許4件取得。食品添加物の現状、食生活の危機を訴え続けている。主な著書にベストセラーとなった『食品の裏側』(東洋経済新報社)、『なにを食べたらいいの?』(新潮社)、『「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド』(祥伝社)などがある。

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